スランプは病気だ
みなさんは「スポーツ内科」、というのをご存知でしょうか。簡単に言ってしまうと、スポーツによって発症する内科疾患の予防や治療を行ったり反対に内科疾患のある患者さんに運動療法を処方したりする医学のことです。少し前の話になりますが学会に参加したときにこの分野の第一人者、賀來正敏先生の講演を聞く機会がありました。その中で印象に残ったお話に「スランプのほとんどは病気」というのがありました。一般に言われるような精神的なスランプ、というものはほとんど存在しないのだそうです。そしてその中で従来原因不明とされていたスランプに脳脊髄液の循環不全と考えられるものがあるのだそうです。主として頭を打つタイプのスポーツに多い、とのことでした。最近よく言われるようになった「脳脊髄液減少症(交通事故などで脊髄硬膜に穴があき、そこから脳脊髄液が漏れ出て頭痛その他の不定愁訴をもたらす)」のようなニュアンスで説明をされていました。もちろんそういうこともあるのでしょうが頭を打つことによって頭蓋骨がゆがみ、その結果脳脊髄液が減少するのではなく循環が不良になったケースもあるように思います。このような場合でもやはり不定愁訴が現れたり仕事やスポーツがうまくはかどらなかったりします。頭蓋のゆがみによって生じたスランプに脳脊髄液減少症の処置(ブラッドパッチなど)を行ってもあんまり効果はないように思います。それよりはクラニオセイクラルによって頭蓋のゆがみを改善してやったほうが脳脊髄液の循環は改善するのでは、というのが私の考えです。原因不明のスランプを抱えておられる方、(スポーツだけではなく仕事や勉強も基本的には同じでしょう)ひょっとしたらそれは頭蓋骨のゆがみかもしれませんよ。
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