噛まないと脳みそふにゃんふにゃん(愚民教育 食物編)
クラニオセイクラルには顎関節に対する手技があります。(顎関節の加圧と減圧)
どちらももちろん顎の障害に対して優れた効果を発揮します。たとえば口が開けにくい、とか開けた時に雑音がする、といったケースではうまくいくとその場で症状が軽快することもあります。
ただし、この手技は顎関節の障害に対してのみ有効なのではありません。
顎の骨(下顎骨といいます)を矯正することにより頭蓋骨のほかの骨にも影響が及びます。下顎骨をてこにして脳脊髄液の循環を促すこともできます。そうやって頭蓋骨や全身を整えてゆくのがクラニオセイクラルの手技です。
ですから反対に歯が痛かったり、歯の治療を受けている最中で物の噛み方がおかしいと全身のバランスが狂ってきます。原因不明の首や腰の痛みの発端が「片噛み」だったりすることはよくあります。
「最近、虫歯の治療しました?」と治療中におたずねするのは顎が左右でアンバランスな時です。
さて、顎関節のバランスが全身に影響をもたらすのなら「噛む」という動作そのものも全身に影響を及ぼします。顎の矯正が頭蓋骨や全身に影響を及ぼす、と書きました。それなら噛む力が不十分であっても全身に好ましからざる影響が及ぶのは当然のことです。
かつてローマ帝国(ほかの国だったかもしれません)は兵士にノルマを課してパンを食べさせていたといいます。なんとなれば当時のパンはとても固くこれを咀嚼することで顎を鍛えたのだそうです。
子供のころにこの話を何かで読んで「顎を鍛えてどうするんやろ?」と思っていましたが今ならば合点がいきます。顎を鍛えることは心身の鍛錬になるのだ、とローマの昔から知っている人は知っていたのです。
さてそれを知ってか知らずかニッポンでは噛みごたえのある食品は敬遠され、口当たりのいい食品ばかりが食卓に上るようになって久しいです。
かつて手抜き料理の代表といわれたオカアサンヤスメ(オムレツ、カレーライス、サンドイッチ、焼きそば、スパゲッティ、目玉焼きの頭文字を並べたもの)にしても簡単にできる、というほかにどれも柔らかいですよね。オカアサンはこれらをさえ作らなくなり今ではコンビニで売られています。
だれかが何らかの意図をもってこのような嗜好を日本人に植え付けたのであれば、その意図は見事に成功しているのでしょう。
そして現在大ヒット中のチューインガム。「ガムを噛んでいると顎がだるくなる。」という若者のニーズにこたえたものなのだそうですがそんなこと言ってる若者を見たことあります?
それでも「フニャンフニャン」のコマーシャルソングとともにガムを噛む時すら顎を使わない若者が増殖していくのでしょう。
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