アバブダウン・インサイドアウト
何の事だかわからない表題ですね。これはカイロプラクティックの原理原則で「自然治癒力は背骨の上から下へ、体の内側から外側に向かって流れる」という意味です。(カイロプラクタ―の方、間違ってたらどうかご指摘ください)だから古典的なカイロプラクティックの一派では首の一番上、頚椎一番だけを矯正します。そこが体の中心であるところの脊椎の一番上であるからです。頚椎一番にゆがみがあれば脳からの自然治癒力が十分に体へと伝わらない、ということです。
さて、ひざの半月板を手術してから却って痛みがひどくなり杖をつかないと歩けない、というクライアントを拝見したことがあります。実は以前に手技療法で有名な某医師の本を読んだことがあってそこに半月板の痛みを訴える人の多くに頚椎一番のズレがある、といったことが書いてあったのを読んだことがあります。
頚椎を触診してみると痛い側の頚椎一番に圧痛があります。これをカウンターストレインという手技で矯正してから脊髄硬膜のストレッチをしました。クライアントにしてみると膝が痛い、と言っているのに首を軽くひねってじっとしていたり、頭に手をおいてみたり何をしているのかわからなかったでしょうね。
圧痛が無くなり硬膜のリリースも感じられた(十分に緩んだ手ごたえがあった)ので「ちょっと立ってみてください」と言いました。始め杖をつきこわごわと、次いで杖なしでもクライアントは歩くことができたのです。
私が行ったのは脊髄硬膜のストレッチですが、頚椎一番を矯正するカイロプラクティックの手技でも同じことができたでしょう。この場合ならカイロプラクティックの先生は「自然治癒力が十分に働くようになったので痛みがなくなったのだ」という風に説明されるでしょう。
要は一つの現象をどうとらえるか、ということでしょう。世の中には種々多様な手技療法がありますが作用機序のモデル(どうしてその療法が効いたのか、の仮説)が違うだけでやっていることに大差はないのかも知れません。
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