固定肢位
骨折や脱臼を整復したあと、一定期間関節を動かないように固定します。骨がくっつくまであるいは周りの組織が修復を終えるまで包帯を巻いたり添え木(副子:ふくしといいます。大体は金属製)を添えたりして固定をします。
けがの種類によって固定する肢位は決まっているのでどんな肢位で固定されているかでどんな骨折や脱臼か大体わかります。
昔、柔道整復の学校に通っていた時先生にこんなことを習いました。「ギプスや包帯を巻いている人がいたらどんなけがをしたのか聞いてみなさい。」
近所に大きい病院があります。TOMOが長男を授かったときよく一緒に検診に付き添っていました。待合にギプスや包帯を巻いている人もたくさんいます。思いきって声をかけてみると皆さんいろいろと話してくださいました。大変に勉強になったことはもちろんです。「ほねつぎの仕事をしています。」と自己紹介をしただけで見ず知らずの人間によくぞ話してくださったと思うのですがこのへんが下町の気さくでいいところだと思います。
自分が専門学校で教えるようになった時、学生たちにもこの勉強法(?)を指南したことは言うまでもありません。
ところが時代は変わってゆきます。修業中のほねつぎに話を聞かせてくださるようなけが人はどんどん少なくなっていきました。
子供が鎖骨を骨折したときはクラビクルバンドという装具で固定します。ベルトをたすき掛けにして胸を張らせて固定します。ちょうど鎖骨骨折の授業を受けたところの学生が街中を歩いているとそのバンドを巻いた子供が母親に連れられて歩いていました。子供のバンドに目をやった学生をキッと睨みつけて母親が「ウチの子に何の用ですか!」と叫んだそうです。
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