誰かの代わり?
仕事でも恋愛でもいいです。「アナタ以外は考えられない」といわれるのと「本命は別にいたんだけど、まあアナタでもいいや」と言われるのでは全然違いますよね。
柔道整復師が保険取り扱いを許されている理由というのがまさにそれで、かつて整形外科が少なかった時代に骨折や脱臼の患者さんに対し医師の代わりに施術を行う、というのが本来の理由であったのです。
現在、整形外科の医師の数は十分に多いでしょう。べつに柔道整復師がお手伝いをしなくとも骨折や脱臼の患者さんが困ることはなさそうです。第一、骨折や脱臼の幹部に柔道整復師が施術を行うときは医師がまずこれを診察して施術の同意を行わなければなりません。
ですから柔道整復師の代替医療としての役目は、無医村やスポーツの現場での応急手当を除いて完全に終わっています。
では現在、ちまたの整骨院が患者さんでにぎわっているのはなぜか?といえばそれは病医院での治療に満足できない方がそれだけ多いのでしょう。
もっと話を聞いてほしい、もっと丁寧に治療してほしい。あるいはレントゲン写真では異常がない、と言われたけれど痛みは全然楽にならない。どうにかしてほしい。
医師にこれを求めても、それはしんどい相談でしょう。以前にも書きましたが医師はまず生死にかかわる傷病、ついで重大な後遺症が残る傷病を治療するのが仕事です。
そのどちらでもなければ医師としては「まあ様子を見てください」としか言いようがないでしょう。
実際に痛みや不快感が残っていても命にかかわらなければこれは医療の対象ではない、ということです。
その「ココロの隙間」をうめるのが柔道整復の現在の仕事なのでしょう。要は補完医療、ということですね。
これに健康保険を使うほど現在の保険制度に余裕があるのかどうかは知りませんが、柔道整復師の存在意義はそこにこそあると考えます。かつて「ムーブ!」というテレビ番組でコメンテーターが「柔道整復師に存在意義はあるのか?」という意味の発言をしていましたが、医師の代替としての役割についてはたしかに終了、なのでしょう。
それなら医師ではカバーできない補完医療の分野で活躍したらどんなもんなの?と常々私は思っているのですが変でしょうか。
去っていった恋人のごとく「昔のほねつぎは…」という繰り言を並べてもだれも幸せにはできません。医師のパチモノ(ブランド品のコピーを関西ではこう呼びます)よりも病医院では治らなかった痛みを治せる治療家のほうがよほどやりがいのある仕事だと思うのですが、ねえ。
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