文献はあるうちに借金してでも買っておこう
昨日クラニオのセミナーでもお話したのですがクラニオ関係の書籍を出版していた会社が来年一月末で出版業務から撤退するのだそうです。私はこれを先輩のブログで知りました。
言われてみれば新刊案内や広報誌(代替医療通信、というなかなかいい雑誌を無料で送ってくれていました)が届かなくなったので「大変なのかな」とは心配していました。
一般の医療関係ではなく代替医療や手技療法というのは、もともと狭いマーケットではあります。当然売れる部数は少ない分、一冊当たりの値段は高くなります。一万円を普通に超えます。小部数、高額の書籍というのは一番売れにくい商品でありましょう。
購入者の多くを占める柔道整復師の懐具合も関係しているのかもしれません。
ただし、多分もう一つの要件が考えられます。読者のアタマの問題です。
代替医療関係の出版社はいくつかありますが、今回撤退する出版社は翻訳書が商品の多くを占めていました。たとえばカイロプラクティックやオステオパシー関係の欧米の専門書。カイロ関係の方が吹聴しておられるようにカイロやオステというのは欧米では医師の行う療法、です。
とうぜん専門書の読者のほうもそれなりの素養を要求されます。どうも、このあたりが日本の治療家の実情と合わないのではないか。もっと言ってしまえば日本の手技療法家のレベルというのは欧米のそれに及んでいないのではないか。
件の出版社は、手技療法家向けの専門誌も出していたこともあるのですがこれがやっぱり欧米の論文やら海外のカイロ大学を卒業した先生の原稿やら、そういうものを好んで掲載しておられました。
もちろんその雑誌は現在ありません。
何も私は日本の治療家のレベルの低さを嘆いているわけではありません。私だって偉そうなことは言えません。欧米の専門書を読んでもチンプンカンプンです。そうして居直るわけではありませんが代替・補完医療のセラピストが医療にすり寄る姿勢をあまり好ましいものと思っていません。
カニはその甲羅に似せて穴を掘る、それでいいやないの。
私の本棚には分不相応な書籍が何冊もあります。読んでわからない書籍であっても自分の取り組んでいるテーマに関連のあるものについてはなるたけ買っておくようにしています。
文献は市場にあるうちに買っておかないとほんとに手に入りません。年内までにむりな買物が増えそうです。
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