「資格」なくてもマッサージ
このような記事が先日の朝日新聞に掲載されました。本来マッサージはあん摩マッサージ指圧師さんでないと施術できないにもかかわらず(業務の独占、と言います)無資格の人々が「クイックマッサージ」や「リフレクソロジー(足裏マッサージ)」と称して違法なマッサージ行為を行っている。さらに整骨院が「保険の効くマッサージ」としてあん摩マッサージ指圧師の職域を侵している、といった内容です。無資格セラピストについては稿を改めたいと思います。
整骨院、接骨院が肩こりや腰痛のクライアントに対して「マッサージ」を行ってそれを保険請求する、このことに対しては以前からマスコミその他で問題視されてきました。保険請求の対象となるのはあくまでも骨折・脱臼・打撲・ねん挫・挫傷(肉離れ)という取り決めがあるからです。もちろん患者さんの訴えが「肩こり」であっても寝違えたとか急性、外傷性の要因があれば保険の対象にはなりますので一概には言えないのですが。
さて、私が目をむいたのは日本柔道整復師会の次のコメントです。「私たちは医療としてケガを治すから保険請求できる。マッサージに似た治療法もあるが、単なる肩こりや腰痛に慰安的なマッサージをして医療費を使うのは言語道断で許してはならない。」私も日本柔道整復師会の会員なのですがもうちょっとまともなコメントが出せんのか、と言いたくなります。
コメントの前半も法律的には突っ込みどころ満載なのですが何よりも後半の部分「慰安的なマッサージをして医療費を使うのは」のくだりです。あん摩マッサージ指圧師の資格を持たない者がマッサージ行為を行うのはれっきとした違法行為であることがまったく認識できていません。その理由は「柔道整復は医療、マッサージは慰安」という誤った認識によるものであることは明らかでしょう。あん摩マッサージ指圧師さんも言うまでもなく厚生労働大臣の免許を持った、言ってみれば柔道整復師と同格の資格です。(柔道整復師を下に見たモノの言い方をするはり師さん、きゅう師さん、理学療法士さんもおられますが気分悪い以前になんだか悲しくなります。)要するにそれぞれが勝手に医療資格に序列をこしらえてああだこうだ言ってるだけのことです。他の資格を尊敬、尊重しているのであれば頓珍漢なコメントを出して業界幹部の頭の良さを世間にアピールすることもないでしょう。そして何よりも我流に毛の生えた程度の「マッサージ」手技でクライアントに接することなど考えもつかないでしょうね。
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