骨粗鬆症
こつそしょうしょう、とお読みになれましたでしょうか。「骨がもろくなる病気ね?」と思われた方も多いと思います。その他のイメージとしては「簡単に骨折する」とか「骨折して寝たきりになる」とかいったところでしょうか。実際高齢者の方で骨粗鬆症を恐れている方は非常に多いと思われます。以前住んでいたマンションの盆踊りで自治会の屋台に交じって近所の病院から骨密度の検査のデモが来ていたのですがあっという間に予約でいっぱいになっていました。商店街を歩いていて行列ができているので「何かな?」と思ってのぞいてみるとこれも骨密度の検査、しかもやっていたのが牛乳屋さんで「骨粗鬆症予防のために牛乳を飲んでカルシウムを摂りましょう。」というキャンペーンだったようです。実際、高齢者に発生しやすい骨折というのはいくつかあって、腕の付け根(上腕骨外科頚骨折)、手首(橈骨遠位端、コーレス骨折)、背骨(椎体圧迫骨折)、足の付け根(大腿骨頚部骨折)の四つを「高齢者四大骨折」という風に言ったりもします。四つとも骨粗鬆症が原因で発生します。このうち大腿骨頚部骨折は骨がくっつきにくく、長期間固定が必要であり、その間に肺炎を起こして亡くなったり、認知症が出たり、そのまま起きられなくなってしまったりすることが多い骨折でした。ただし、それは昔のことで現在は手術によって短期間で元通り歩けるようになりますので「骨折で寝たきり」は昔話になりました。牛乳はすぐれた食品ではありますが、カルシウムの摂取量と骨粗鬆症の発生の間には関係のないことが分かっています。カルシウムの摂取量が日本より多い欧米で大腿骨頚部骨折が日本より多い、という話は有名でこれを「ジャパニーズ・パラドックス」といいます。結局のところ骨粗鬆症による骨折の予防には軽い運動が一番いいようです。運動を続けることにより骨量の減少を防ぐことができ、なおかつ転倒の予防にも(四大骨折はすべて転倒によって発生します。)なるそうです。
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