健康保険取り扱い存続?のための私案(要するにこの世は銭)
整骨院の不正請求についてまたまたマスコミで取り上げられています。以前書いた奈良の私大の野球部の監督の整骨院。やっぱり柔道整復師の免許を借りてきた「柔道整復師のいない整骨院」でした。
整骨院からのレセプト(柔道整復師の場合は療養費支給申請書、といいます)は原則不支給、と決めた健康保険組合もあるそうです。レセプトを調査してみると「マッサージがわりに通っていた」というケースが多かった、と担当者が言っている由です。
私が保険取り扱いをやめた大きな理由がこれで、「肩が凝ったから揉んで」とか「別にどこも傷めていないけど関節をボキボキ言わせてもらうとすっきりするから来ました」とかいう人が来院されるようになって(もちろん全員お帰り願いました)これはちょっと違うな、と考えたからです。
リラクゼーションを否定するものではありませんが、健康保険を慰安娯楽のために使うのは筋が違うでしょう。たとえば飲み屋の支払いを健康保険で七割引きにしてくれというようなものですよ、これは。
整骨院をクイックマッサージの代わりにする人々を私が嫌いなのは身銭を切らずにいい思いをしようとする心根が性に合わないからです。もちろん健康保険の対象とする患者さんではない、というのがお引き取りを願った理由ではあるのですが。
とはいえ、整骨院が現状のようになってしまった原因の大半はもちろん柔道整復師の側にあります。
かつて整骨院が保険の支払い側(政府管掌保険や国民健康保険など)に重宝されていた時代がありました。
なぜかと言えば柔道整復の療養費の額が医家に比べてお話にならないほど低かったからです。要するに安いコストで患者さんに満足してもらって安上がりだったわけです。昨今、整骨院の絶対数が増加したことに加えて柔道整復師と患者さんのモラルが低下したことにより柔道整復師に支払う療養費が跳ね上がったことが、言い換えれば「安上がり」ではなくなったことが保険者と柔道整復師の蜜月を終わらせた、と考えます。
だから、もし「健康保険取り扱い」を存続させようとするならば柔道整復施術の費用体効率を保険者に示せばいい。骨折なり捻挫なり柔道整復の保険点数で施術したらいくらになるのか。その金額が整形外科をはじめとする医科に比べてどのくらい安上がりなのかを試算すればいい。
アメリカでカイロプラクティックが保険会社に認知されたのもカイロプラクティック業界が費用効率を計算して提示できたからです。
ただし、これを主張できるのはクライアントを治すことができる技術を持っていることが前提で「適当にお愛想を言いながらクイックマッサージまがい」であればそんなものに健康保険を使う価値はないので結局は現状と同じことになるのかも知れませんね。
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