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柔道整復の学校で教え始めて今年で確か十年目になります。教え始めたころは私より年長の学生もたくさんいたのですが最近はそれほどみなくなりました。「業界の平均年齢が下がってきているのかな?」と思っていたのですが考えてみれば私が年をとっただけなのでした。
私が柔道整復の資格を取りに専門学校へ入学したのが二十六歳の時でした。大体クラスの平均年齢がそのくらいだったのですが実際には高校卒業したてのクラスメートも多かったですし、彼らの親くらいの年齢のクラスメートもそのくらいいました。
昔は定年後の仕事として治療師を目指す人も多かったのです。
さて、時々なのですが年配の学生に「この年で臨床家としてやっていけるでしょうか?」という相談を受けます。もちろん大丈夫。それまでの人生が治療師としてのキャリアに必ず役立ちます。中には後世に残る仕事をする方もおられます。
骨盤に巻くゴムのバンドをご存知でしょうか?今ではいろいろなメーカーが作っていますが元は一人の治療家が考案したものなのです。その先生は五十代の半ばで指圧の専門学校に入りそれから八十代で亡くなるまで治療家として活躍されました。従来動かないとされていた骨盤(仙腸関節)のゆがみに着目して、独自の治療法を考案されました。また、自分でできる治療法として骨盤をゴムバンドで巻いて運動する方法も考えられました。どんな症状に効果的かというと腰痛、坐骨神経痛、生理痛など骨盤と関係の深そうな疾患から頭痛や近視(小学校で実際にデータを採って調べたそうです。)など応用範囲は広いです。クラニオセイクラルの原理とも通ずるところがありますので当院でもホームケアとして時々クライアントにお教えしています。
方法はいたって簡単。腰の骨の出っ張ったところ(上前腸骨棘)のすぐ下をゴムのバンド(市販のものでもいいけれど女性用のストッキングの伝線したものをとっておいて使えばタダです。)でややきつめに巻きます。そのままフラフープの要領で腰を大きく回してゆきます。右回り、左回りそれぞれ朝夕三十回づつ。腰回し運動をしないときでもゴムバンドは巻いたままにしておくと効果は高いです。(就寝時には外してください)
ゴムバンドを使った治療は広く普及して、考案者の先生は治療師としても大成功を収められました。そして何より、どれほど多くの腰痛その他の患者さんがゴムバンドのおかげで助かっているでしょうか。