カラダは左右対称か?
当ブログの読者ならば「骨盤のゆがみ」などというものを指摘されたことがおありかも知れません。骨盤(仙腸関節)がゆがむとその歪みは全身に及び様々な症状を引き起こす。というのはよく聞く整体の理論(?)です。私も骨盤の矯正をメインに治療していた頃にはイヤというほどこの台詞をクライアントに向かって言ってました。骨盤を調整することでずいぶんいろいろな症状が良くなりましたし、現在でも「頭蓋骨のゆがみ」を矯正することによって治療を行っているわけで「骨格のゆがみ」そのものを否定するつもりはありません。ただ、正常な骨格というのが左右対称を意味しているかといえば、それは違うと考えます。今まで何千何万の骨盤を見てきましたが一人として左右対称な骨盤を見たことがないからです。骨盤のゆがみを検査するには足の長さをチェックします。うつぶせになったクライアントの足を揃えてみて左右で足の長さが異なっていれば骨盤のゆがみがあると判断します。ところが治療師を18年やっていて今まで足の長さが左右で同じ人を見たことがありません。「それは何か症状のある人の骨盤しか見ていないからでは?」かというと違います。ためしに健康な人の足の長さを左右比べてみても、素人目にでもはっきりと左右差が認められます。(たいていは右が短い)頭蓋骨も同じで、人の顔は左右対称ではありません。正面から写した顔写真の真ん中に鏡を当てて右半分だけ、とか左半分だけの顔を作ってみると、元の写真とは微妙に違う顔写真になると思います。だから人間は(というか生き物はたぶんすべて)もともと左右非対称で生きているものなのでしょう。このことは私の発見ではなく何人かの先輩治療家が同様に述べておられます。左右非対称の理由としてあげられるのは地球の自転、これに影響を受けて地上の生き物は体をゆがませつつ生きている、というのが先達のご意見です。
ですから、骨格のゆがみというのは手技を行う際の指標であってこれを左右対称にすることが手技の目的ではない、ということでしょう。顔を左右対称にするというのがうたい文句の手技療法がありますが寝ころんだ態勢で(重力の影響がない状態で)左右対称に整えた骨格も立ち上がって歩き始めるや否やもとの「歪んだ」状態に逆戻りしてしまうでしょう。ただし、どこかの国の宰相のようにちょっと見ただけで左右非対称に感じるほどのゆがみがある場合はこれを改善することは可能だと思います。依頼が来ないかな。
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