サンタの腱鞘炎
腱鞘炎、というのをご存知でしょうか。一般的にこの名称で呼ばれているのはばね指(弾発指)といって指の曲げ伸ばしの際に指の付け根の関節(MP関節)のところが指の曲げ伸ばしの際引っかかって動かしにくくなります。他に狭窄性腱鞘炎(ド・ケルバン病)というのがあってこちらは手首に痛みや腫れが出現します。例外はあるものの原則として中年女性に好発(よく起こる)します。ところがある年の12月、若い女性が腱鞘炎の症状を訴えて来院しました。原因を聞いて大笑い。彼女はプロゴルファーの卵だったのですが、普段はゴルフ場でキャディーさんをしています。クリスマスにクラブの先っぽにつける毛糸のカバーをお客さんにプレゼントすると「チップの額が全然違うねん。」とのこと。カバーを大量生産した結果、腱鞘炎が発生したのでした。まだ、景気の良かった時分の話です。しばらく治療してすっかり良くなった彼女は翌年のバレンタインデーの頃に、また同じ症状で来院したのでした。
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