腰湯の効用
年末は酒飲んでゆっくり、というのが理想なのですがなかなかゆっくりはできません。卒業試験や実力テストの問題を作ったり担当教科の教科書の校正をしたり(関係法規、という科目を教えているので法改正に伴って頻繁に教科書の内容が変わる)来年度の講義のプランを立てたり結構講義や治療のない日も多忙に過ごしています。割と自分としてはこの多忙が好きでして年末にゆっくりできなくても不満は全然ありません。ただし「酒飲んで」の方はやめるわけにはいきません。ほぼ毎日飲んでいると、たまには酔っ払って翌日に残ってしまいそうなこともあります。そんなときにお勧めなのが「腰湯」です。「半身浴」と言ったほうが分かりやすいかもしれません。要は浴槽にぬるめのお湯を少し少ない目に張っておいてへそから下だけを浴槽につけるようにします。普通に入浴するより長時間、おおよそ30分くらいそのまま浸かっていますと汗が滝のように出てきます。そうすると体の中のアルコール分が抜けて行きます。入浴後は気分すっきり、です。30分も浸かっていたらのぼせそう?あるいは今の時期に肩を出して入浴していたら風邪ひきそう?どちらも私の経験では大丈夫です。腰湯の方がのぼせにくいし全身が温まります。ご心配な方は入浴時間を短くするとか時々肩まで浸かるとかしていただいても効果は変わりません。実は腰湯は二日酔いの予防や改善のためだけでなく、もっといろんな症状に効果があります。「冷えは万病のもと」という言葉をお聞きになったことがあると思いますが腰湯はこの「冷え」を改善します。そもそも「冷え」とは何か?と言えば上半身と下半身の温度の差です。下半身の方が血行が悪く温度が低くなりがちです。で、その下半身を集中的に温める「腰湯」が血行を良くして「冷え」から来る症状を改善するのは理の当然ではありませんか。具体的には冷え症はもちろん、生理不順、腰痛や肩こりにも効きます。引きかけの風邪にも有効です。当院では症例を持ちませんが慢性関節リュウマチの指の変形が改善したという報告を読んだこともあります。この腰湯、当院で行っているオステオパシーと同じ原理だと言ったら驚きます?でも、病を治すために血行の改善を図るのはオステオパシーのコンセプトと一致します。二日酔いを治してくれ、とおいでになられても困りますけど。
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