レッドカーペットの恐怖
正月番組と言えば「お笑い」と相場が決まっているのですが最近は一分とかすごく短い時間内にネタを演るのがはやっています。なぜかというと、たとえば寄席の中継のように一組当たり十分とか十五分とかのネタだと視聴者の若者が「持たない」のだそうです。これは現在の若者を見ていると痛感することなのですが集中力が全然続きません。たとえば現在教えている専門学校で試験監督をしている時でも驚くべき数の学生が途中退出します。ご存知ない方のために説明しますと医療系の専門学校では試験時間が大変長く長い時では2時間を超えることもあります。ただし、試験時間の間中ずっと席についていなければならないわけではなく試験ができたものから途中退出が認められています。ところが「できたもの」に認められている途中退出をする学生のかなりの数ができていなかったりするわけですよ。それならできもしない試験で退出する理由は、というと集中力が持たない、からです。授業中もしかり。明らかに集中力を欠く学生が年ごとに増えています。これは私の講義がつまらないからとは限らないようでよその学校の講師仲間に聞いても同じような答えが返ってきます。コントや漫才(落語はもう全然聞いていても話の流れについてゆけないでしょうね)でさえ集中して聴けない世代とそれに迎合した番組の作り手、短時間専門の芸人さんという恐るべき時代がやってきています。それなら逆に小梅太夫(最初に見た時の衝撃は忘れられません。気に入って見ていたのですがあっという間に間につまらなくなってどっかへ消えてしまいましたね)が三十分ネタを演るのを見ていて集中力が保てるか?と聞かれたらあやしいですけれど。
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