愚民教育(教師編)
民間の研究機関「中央教育研究所」によりますと、小学校教員の61パーセントが「生徒は教科書の内容を八割以上理解している」と思っているのに、実際に「教科書の内容の八割を理解している」小学生は20パーセントに達していないそうです。
中学校でも高校でも似たような傾向なのだそうで教員の認識と現実のギャップの違いは深刻なものがあるようです。
しかもその教科書がメチャメチャに簡単なのをご存知ですか?
長男が中学生の頃、英語の教科書を見て仰天しました。まるで英会話のテキストなのです。少なくとも昭和の時代にはレッスン(課)ごとに習うべき内容が明示され、一応体系的に学習できるような作りになっていました。
現在は「このケースではこういう表現を使う」ということに重点が置かれているようで英語を体系的に学ばせるという意識は薄くなってきているように思われます。
しかも、です。新出単語はすべて脚注の形で教科書に載っているのです。だから今の子供は「わからないことを辞書で調べる」という学習の根本のそのまた根本ができない、というすごいことになっています。
そんなスカスカの教科書をまともに理解できない子供が八割を超えている。しかも教員がそのことに気づいてすらいない。そういう世の中になってきているのですね。
さらに言うならそういう子どもたちでも真ん中以上の成績をとっている可能性があるわけで、自分の学力に起きている深刻な事態をひょっとしたら認識できないまま一生を過ごすことになるのやもしれません。
辞書が引けなくてもインターネット検索で必要な情報は出てくる?文学作品など読まなくてもロールプレイイングゲームで友情をはぐくみ、愛を育て、感動することができる?
ひょっとしたらその通りかもしれません。でも、従来使っていた脳の機能を使わなくなったことにより、かならずどこかに歪みが出現します。そのことによって、必ず日本人は変質します。それが好ましい方向だとは私には思えないのですが、ねえ。
ここまで書いてきてなぜか先日ニュースで見た光景が浮かんできました。
ヒロシマやナガサキの首長がアメリカの大統領の「支持」を表明し、「Yes,we can.」と叫ぶ光景。それを一点の疑問もなく賛美する人々。どうしてもどっか引っ掛かる。
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