癇虫取りの話(子供の治療のはなし)
現在読んでいる「富田流手あて療法」(昭和8年に出版された霊術の教科書、ただし私が持っているのは平成11年の復刻版)に子供の癇虫とり(ヒヤキオウガンという子供の薬の効能にも癇の虫とありますがもちろん癇の強い子に実際に虫がいるわけではありません。当時はその癇虫とり専門の業者がいたそうです。半分おまじないみたいなものだったのでしょうか。)を富田氏が体験した時の話が載っています。どんなふうにするのか同書をちょっと引用します。「その治療の方法は、薬品の液を硯に入れて墨をすり、毛筆をもって病者の手に鬼という字を書き、その字の上に、風という字を書き、その手を水にて洗浄せしめ、その手をタオルで拭き取らしむ。その手を先生の前に差し出すと、先生は、その手の中や外を見て、ここにもここにもと白き細い長い虫様のものを目の前にて採り始めた。(中略)尚この治療は、親の目前で行うのが有効であるとのことであった。」富田氏はこの「癇の虫」の正体がタオルの繊維であることをすぐに見抜くのですが、つづけてこんな風に書いています。「母親が、これだけたくさんの虫(実際はタオルの繊維)を採ったのであるから、これでこの子供の病気もよくなると安心すればそれが子供を良くするのである。然るときは、子供の治療をしたのではあるがその実は、母親の治療をしたことになる。これで子供の病気がよくなるところを見れば、子供の病気はまず母親の心理を治さねばならぬという所以である。」実際、いろんな子供さんの治療をしていて思うのですが保護者の方の体調とか心理状態を子供さんはものすごくよく反映します。そんなことない?でも、子供さんて忙しくて大変な時に限って熱出したりしません?お正月で病院が開いていなくてこんな時に熱出したら困るわ、と思ったとたんにもよく熱出しますよね。「なんでこんな時にトイレに行きたいって言うのよ。」というのも多分同じ。からだは心に反応しますが子供さんのからだはお母さんの気持にも反応します。だから私の治療院では子供さんの治療をするときはお母さんも短いセッションを受けていただくことが多いです。理由はもちろんお母さんがリラックスしている方が子供さんの調子がいいからです。
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