局所療法と全体療法
現代医学に対する批判として「体を全体としてとらえていない。」というのがあります。たとえば「腰が痛い。」とか「胃の調子が悪い。」といったときに腰とか胃とか体をパーツに分けるのではなく全体として見るべきだ、という主張です。これは確かにその通りで、たとえばどこへいっても治らなかった腰痛が頚椎の矯正と硬膜のストレッチで治ったというような例はいくらもあります。クラニオセイクラルを広く普及させたアメリカのアプレジャー医師は余計な先入観を排除するためにあえてクライアントの愁訴(どこが悪いのか)を聞く必要はない、という意味のことさえ言っています。クライアントの体がすべての答えを知っている、というわけです。ただし、これは世界的に有名なアプレジャー医師(日本では神格化されすぎているキライがありますが)だからこそ言える話であってわれわれひよっこが真似できる話ではありません。日本にも偉ぁい先生はいくらもおられて初診のクライアントが愁訴について話しかけると「いちいち聞かなくても悪いところはワシにはみんなわかっとる。」などと怒る人もおられるのだそうです。まあ、以前にこのブログでも書きましたようにオステオパシーでは「体に変なところがあるのを見つけたらそこを矯正して、あとは自然治癒力に任せる」という考え方がありますのでそれはそれでかまわないのでしょう。ただ、なんでもかんでも全身療法、全体療法がよくて局所療法は間違いだ、と決めつけるのはいかがなものかとは思います。全体療法の代表選手のように思われがちな東洋医学の世界でも本治法(全体療法)のほかに標治法(局所療法)という概念がちゃんと存在します。要は個別のケースを見てどのように治療していくのかを判断するのが治療師の見識、というものでしょう。
子供のひじの骨は五歳くらいまでは引っ張ると簡単に亜脱臼(関節が外れかけること)します。ひじ関節の亜脱臼がクラニオセイクラルのセッションで治るのかどうかやってみたことがないのでわかりませんが普通にひじ関節の整復法(外れた関節をはめる技術、整形外科でも接骨院でも基本的に同じ手技を使います)を行えば二秒くらいですっかり治ってしまいます。
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