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奈良でまたまた整骨院の不正が発覚しました。奈良県の私大で野球部の総監督をつとめる男が自分の経営する整骨院で保険の不正請求を行っていたものです。不正請求(というか詐欺)の手口が自分が指導している野球部員を使っていたというのですから悪質です。一部の不届き者が起こした事件、では済まされないほどにこの手の不正が後を絶ちません。
ただ、このニュースを見ていてふと思いました。この総監督、年齢は五十歳とありますから私と同世代です。整骨院の開業が2006年ですから開業してから二年とちょっとしかたっていません。マスコミの取材に対して「整骨院の経営が思わしくないので不正請求に手を染めた」旨、述べているそうですが私にはそうは思えません。
たぶんこの男、柔道整復師の免許は持っていないのでしょう。柔道整復師の免許を持たずに整骨院が開業できるのか、と言えばできます。整骨院の開設は柔道整復師以外でも可能です。(病院や診療所も医師以外が開設できますが、この場合は都道府県知事の許可が必要です。整骨院の場合開設者がだれであっても届け出だけで構いません。)
ですから、資金力のある企業で整骨院業界に参入してくるところは多いです。また、小金のある人(中小企業のオーナーなど)が整骨院を開業することも多いです。芸能人の副業のひとつにもなっているといいます。
そんな整骨院が儲け以外のことを考える方が不思議なくらいで、当然そこには好ましからざる事実があるのでしょう。
たとえば柔道整復の学生を大量にアルバイトとして採用しているところ。学生は柔道整復師ではありませんから施術はできません。助手としてできる仕事はせいぜいがシップの交換とか包帯まきの手伝いくらいでしょう。そのくらいにしか使い道のないものを大量に雇い入れて一体どんだけ湿布を貼るのでしょうか。
さらに驚くべきことに「免許の貸し借り」というのまであるそうです。これは時々卒業前の学生から相談を受けます。「柔道整復師の資格を取ってから、鍼灸の学校へ行く予定をしてるんやけどその間免許貸して、って言われてるんやけどソレっていいの?」もちろんダメです。明らかにこれは犯罪で、「こんなことを申し出てくる人間にマトモなやつはおらんから相手にしたらあかん。」と言うのですがそういう整骨院もあるのでしょう。
そして今回の事件です。大学側のコメントを新聞で読む限り「大物」OBである総監督の不正行為に野球部ぐるみ加担していた感はぬぐえません。(下手すると大学ぐるみ、かもしれませんね。)そしてその裏には資格を金で貸し借りする柔道整復師やその他もろもろの業界にたかる人々がいるのでしょう。柔道整復師を「資格」ではなく健康保険を取り扱うことのできる「利権」と考える人間の多さに最近私は憂鬱です。