忍者ブログ
大阪市西淀川区にあるクラニオセイクラル専門の整骨院院長のきまぐれ日記

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

柔道整復師は使い捨て

以前このブログでも書いたことのある奈良の整骨院の療養費不正請求問題について新聞に載っていました。

この事件は奈良の私立大学の野球部監督が自分の経営する整骨院で実際に施術していない部員の療養費を架空請求したり無資格の従業員に施術をさせて療養費を請求するなどの不正を繰り返していたというものです。その上、勤務していたとされる柔道整復師三人のうち二人は勤務実態のない名義貸しであることも明らかになっています。

奈良県と近畿厚生局は柔道整復師三人に不正に受け取った四千万円余りを返還請求する、との報道もあります。不正請求した分を返金するのは当たり前の話なのですが「主犯」の野球部監督は(この男は柔道整復師ではありません。)この件についてはお構いなし、なのです。

療養費の請求は整骨院の管理柔道整復師の名前で行われているため返還もオーナーの野球部監督ではなく柔道整復師に求められる、と言うことになります。

野球部監督を含め四名が詐欺容疑で刑事告発されるそうですが、もともと何の資格も持たない野球部監督にとっては痛くもかゆくもないでしょう。

一方柔道整復師の方はどうか?療養費の不正請求が判明した時点で五年間の療養費受領委任停止と言う処分が決まりました。今後五年間、彼らは保険の取り扱いができなくなります。ちゃんとした技術を持った柔道整復師なら名義貸しなどと言うことをするわけがありませんからこの時点で実質上は業界からの退場を余儀なくされるのでしょう。

しかも罰金刑以上に処せられた場合、免許取り消しになる可能性もあるのです。

この整骨院は開業当時から不正請求しかしていなかったようですから経営が苦しくなって、つい不正に手を染めた(それも許されることではありませんが)と言うわけではありません。現場は従業員に任せっぱなしのようですから治療師のマネがしたかったわけでもないようです。つまり、この野球部監督、純粋に儲けたいがために整骨院を開設しただけなのです。儲かりさえすれば別にほかの商売でもかまわなかったでしょう。

おそらくはこの監督に知恵をつけた人間がいるのでしょう。「整骨院をやれば儲かりまっせ」と。だからたぶん、この整骨院のような形態の不正は日本のあちらこちらで見られるのかも知れません。

もし、免許を貸しているお利口な柔道整復師がいるのなら、そいつはやめといた方がよさそうです。業界の将来がどうのこうのとか医療人としてのモラルがどうのこうのとか眠いことは言いません。

損です。

この事件で不正に請求された金額は二年余りで四千万ちょっと。普通に整骨院を開業していて稼げない額ではありません。逆に言うなら免許を不正に貸して月にいくらになるのでしょうか。せいぜいが十数万円、と言うところです。それでもし不正がばれたら、三年間の時間と数百万円の学費を費やして取得した柔道整復師免許はおしまいです。

いくらお利口な諸君でもそのくらいの損得勘定ができる程度の脳みそは持っていると思うのですがねえ。
にほんブログ村 健康ブログへ
にほんブログ村
PR

「昔はよかった」か?

この数年間で柔道整復師の数は爆発的に増えました。当然整骨院の数も増加しました。そしてこれも当然のことながら競争は激化しています。昔(といってもほんの数年前)までは開業すれば技術がなくてもそこそこには稼げていたものが現在では大きな資本によるチェーン化した整骨院以外は経営が苦しいところが多いです。

それなら昔はよかったのか?

まず、学校に入るのが大変でした。柔道整復師の養成学校に入学するためには学校関係者とのコネクションが必要で、入学に際しても多額の寄付金が必要だったそうです。学校に入学した後も入学の際に紹介してもらった先生の整骨院でお礼奉公をしなければならなかったそうです。同級生には極端な猫舌の学生が何人もいましたが住み込みで働いていると温かい食事を食べることがないので自然とそうなる、と言っていました。

私は幸か不幸かペーパーテストが強かったものでコネも寄付金もなしで入学できましたが同級生と話が合わずに困りました。もっとも普通の自営業者の我が家では数百万円もの寄付金は支払うことはできなかったでしょう。

免許を取って開業する際も付近の同業者にあいさつ回り、と言うのをしなければなりませんでした。地域のボスみたいなのがいてずいぶん理不尽なことを言って新規開業者に嫌がらせをしていたといいます。

現在はどうか。学校は各地にでき、中には学生の募集に頭を痛めているところもあります。かつては月給一万円、と言う信じられない給料でコキツカワレテいた徒弟制度も崩壊しました。保険請求も個人で簡単にできるようになり地域のボスも姿を消しました。たまに勘違いして威張り散らすお利口さんもいますが間もなく絶滅してくれるでしょう。

誰の命令も受けず、誰の顔色をうかがうこともなく、自分の才覚だけで業務ができる現在の柔道整復業界の状況をを私は本当にいいことだと思っています。

せっかくいい時代に柔道整復師になったのだから声の大きい人に振り回されることなく自分の頭で考える習慣をつけたいものだと思います。
にほんブログ村 健康ブログへ
にほんブログ村

プロは物事を単純化して考える

異論はありましょうがクラニオセイクラルは頭蓋オステオパシーをオステオパシー医以外にも使えるよう簡略化したものと考えます。欧米の頭蓋骨矯正のテクニックの翻訳本を読んでみても手技が複雑でよくわからないものが多いです。クラニオの基本テクニックは短期間で習得が可能であり、なおかつ効果を出しやすいです。

昨年セミナーに行って習ってきたEFT(感情解放テクニック)も、アプライド・キネシオロジーというカイロプラクティックの理論体系をものすごく簡略化したTFT(思考場療法)を、さらに簡略化したものです。

簡略化することによって習得は容易になります。そして、簡略化したダイジェスト版(悪い意味で言っているのではありませんよ)がプロの治療家の臨床の使用に耐えるのはなぜか、と言えば以前にこのブログで書いた「パレートの法則」、要するに日常に使うレベルの手技は全体の二割程度であるからでしょう。

クラニオセイクラルを使って臨床を行うようになって十年余りですが、他の手技を多少混ぜることはありますがほとんど不自由なくどんなクライアントにも対応できます。(当然、効果が出ない例もあります)

にもかかわらず、です。どういうわけかクラニオセイクラルでもEFTでも難しい理論や手法をあれこれひねくる人が多いです。シンプルさが売り、であるはずの療法でそんなことを言っても仕方ないと思うのですがねえ。

歳のせいで頭が固くなって難しい理論が受け入れられなくなってこんなことを思うのでしょうか。でも、私には難しい理論を私にも理解できるようにアレンジしてくださった先達の努力に感謝することはあっても難しい話をしたがる方の説に耳を傾ける気にはなりません。実際、私の知る限りではこの手の治療家はただのお利口さんであることが多いです。

タイトルはカルロス・ゴーンの言葉から拝借しました。 にほんブログ村 健康ブログへ
にほんブログ村

治療院で売っているもの

治療院では窓口でいろんなものを売っていることがあります。湿布やサポーターなどが一般的なところでしょうか。骨盤の矯正をしていた頃にはゴム製の骨盤バンドを施術後お貸ししていたのですが「これを巻いていると腰の調子がいいのでわけてほしい」というお声が多かったのでしばらく販売していたことがあります。

入浴剤も評判が良かったです。何種類かの生薬をティーバッグみたいな袋に入れてあるタイプでお風呂のお湯を沸かすときに一緒に煮出します。強烈な漢方薬のにおいはしますがよく温まり血行が良くなるので自宅でも一時使っていました。

反対に、一度も売ったことがないし売るつもりもないのが健康食品。実は私はサプリメントの類は結構愛用しています。薬剤師さんの書いたサプリに関する本を読んでいると「ちゃんとしたメーカーの製品の方が低価格で、怪しげなメーカーになればなるほど高価になる」のが健康食品なのだそうです。一流メーカーの製品ならどこの薬局でもコンビニでも売っていますから、わざわざ私が売るまでもありません。

でも、健康食品を売りたがる治療院、多いですよねえ。どうしてかと言えば、当然、利益率が高いからです。実際、健康食品の代理店にならないか、というお誘いは時々あります。そんな案内広告には健康食品の利益率が載っているのですがびっくりするような額ですよ、実際。

さらにマルチ関係のお誘いも一時大変多かったです。年賀状の返事も来ないような同業者からいきなり連絡がきた、と思ったら健康食品のマルチです。整骨院業界が厳しくなり始めた頃には、尊敬していた先輩からマルチのお誘いが来てしばらく人間不信になったことがあります。

治療院で「治療の効果がなければ治療費は全額返金」などという広告を出しているところがあります。一見、良心的に見えますが、たいていこの場合は健康食品を売るのが目的です。治療費は(数千円位)確かに返ってくるのでしょうがそれと同時にかかった健康食品の代金(こちらは時に数十万円になるそうです)は返してはくれません。

だいたい「治らなかったら無料」とか「今日の治療費はただでいいですからこの健康食品を飲んでください。あなたの体のためにはその方が絶対いいから。」とかいうところにまともなところはありません。

現在、当院では一切の物品販売をしておりません。治療が生業ですので当然と言えば当然なのですが。

にほんブログ村 健康ブログへ
にほんブログ村

無免許がバレない理由

ちゃんとした治療としてのマッサージではなくリラクゼーション目的のいわゆるクイックマッサージ、習得にどのくらいかかると思います?答えは約半月。なんでそんなことを断言できるのかと言うと、クイックの店舗の前にリラクゼーション技術のスクールの募集広告が貼ってあるのを見たからです。

募集対象は、と言えばそのクイックマッサージ店に(フランチャイズ展開しているのであちらこちらに店舗がある)就職を希望する人です。まず、スクールに入学して技術を習得後、たぶん適性のある人だけを入社させるのでしょう。本来なら会社が自前で行うべき新人研修を学費をとって行うわけでうまいこと考えたものです。

それで、そのスクールの研修期間が約半月なのだそうです。ということは、半月かそこらあればリラクゼーションは「習得」できるということです。そのくらいの期間あれば商品として通用する程度のリラクゼーションの技術は身につけることができるということになります。

話は全く変わります。もし、私が美容院に就職すれば(もちろん私は未経験ですよ)何ができるでしょう。たぶん、なーんにもできないでしょうね。だから、仮に「私は美容師です。」と言ってお客さんの髪を切ったとすればすぐに美容師免許を持っていないことはばれるでしょう。

バスの運転でも、鮨屋さんでも、デパートの店員さんでも同じです。未経験の人間が現場に立ってもできることなどありませんし、資格や経験のないことはだれの目にも明らかです。

ところが、です。柔道整復業界では資格のない人間が平然と現場に立っています。養成学校の学生や、ひどい時には「院長」まで柔道整復師の資格を持っていない場合もあります。免許を借りて整骨院を開設しているわけです。(もちろん犯罪です)そしてそれがバレていない。

なぜか。ちゃんと資格のある柔道整復師の施術と無資格者の施術が大して変わらないからです。資格者のいる(とワザワザ断らなければならないところが異常ですが)整骨院でもせいぜい半月もあれば習得できる程度の手技しかやっていない。患者さんの方も整骨院に期待するのは、保険で安上がり、という点だけでしょう。

モラルの欠如、と業界のお偉いさんがよく言っていますがそれ以上に欠如しているのは柔道整復師のプロ意識、でありましょう。

にほんブログ村 健康ブログへ
にほんブログ村
カレンダー
01 2025/02 03
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28
フリーエリア
最新CM
[02/26 かなややすひろ]
[02/26 岡ヤン]
[02/25 かなややすひろ]
[02/24 さて]
[02/24 岡ヤン]
最新TB
プロフィール
HN:
かなや やすひろ
HP:
性別:
男性
職業:
柔道整復師
自己紹介:
大阪市在住。医療系専門学校で教えるかたわら自宅兼のちっこい治療院でクラニオセイクラルのセッションを行う。好きなこと:講義すること、治療すること、飲むこと。嫌いなこと:お医者さんごっこ
バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
カウンター
Designed by PLP
忍者ブログ
[PR]