忍者ブログ
大阪市西淀川区にあるクラニオセイクラル専門の整骨院院長のきまぐれ日記

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

健康保険取り扱い存続?のための私案(要するにこの世は銭)

整骨院の不正請求についてまたまたマスコミで取り上げられています。以前書いた奈良の私大の野球部の監督の整骨院。やっぱり柔道整復師の免許を借りてきた「柔道整復師のいない整骨院」でした。

整骨院からのレセプト(柔道整復師の場合は療養費支給申請書、といいます)は原則不支給、と決めた健康保険組合もあるそうです。レセプトを調査してみると「マッサージがわりに通っていた」というケースが多かった、と担当者が言っている由です。

私が保険取り扱いをやめた大きな理由がこれで、「肩が凝ったから揉んで」とか「別にどこも傷めていないけど関節をボキボキ言わせてもらうとすっきりするから来ました」とかいう人が来院されるようになって(もちろん全員お帰り願いました)これはちょっと違うな、と考えたからです。

リラクゼーションを否定するものではありませんが、健康保険を慰安娯楽のために使うのは筋が違うでしょう。たとえば飲み屋の支払いを健康保険で七割引きにしてくれというようなものですよ、これは。

整骨院をクイックマッサージの代わりにする人々を私が嫌いなのは身銭を切らずにいい思いをしようとする心根が性に合わないからです。もちろん健康保険の対象とする患者さんではない、というのがお引き取りを願った理由ではあるのですが。

とはいえ、整骨院が現状のようになってしまった原因の大半はもちろん柔道整復師の側にあります。

かつて整骨院が保険の支払い側(政府管掌保険や国民健康保険など)に重宝されていた時代がありました。
なぜかと言えば柔道整復の療養費の額が医家に比べてお話にならないほど低かったからです。要するに安いコストで患者さんに満足してもらって安上がりだったわけです。昨今、整骨院の絶対数が増加したことに加えて柔道整復師と患者さんのモラルが低下したことにより柔道整復師に支払う療養費が跳ね上がったことが、言い換えれば「安上がり」ではなくなったことが保険者と柔道整復師の蜜月を終わらせた、と考えます。

だから、もし「健康保険取り扱い」を存続させようとするならば柔道整復施術の費用体効率を保険者に示せばいい。骨折なり捻挫なり柔道整復の保険点数で施術したらいくらになるのか。その金額が整形外科をはじめとする医科に比べてどのくらい安上がりなのかを試算すればいい。

アメリカでカイロプラクティックが保険会社に認知されたのもカイロプラクティック業界が費用効率を計算して提示できたからです。

ただし、これを主張できるのはクライアントを治すことができる技術を持っていることが前提で「適当にお愛想を言いながらクイックマッサージまがい」であればそんなものに健康保険を使う価値はないので結局は現状と同じことになるのかも知れませんね。
にほんブログ村 健康ブログへ
にほんブログ村
PR

How much? 

ずいぶん以前のこと(まだ保険取り扱いをしていた普通の整骨院時代です)小学生の女の子が車いすで来院したことがあります。自転車に乗っていたら車とぶつかって足をねん挫したとのこと。最初に行った病院では足関節ねん挫の診断でした。

ところがけがをしたのは足のはずなのにその子は立ち上がることができません。お母さんが心配して相談にみえたのです。足の捻挫は見たところ治っているようだし、なんでだろうな、と思って診てみると足の長さが左右でずいぶん違います。

骨盤を矯正してみるとぽこん、と小さい音がして骨が動いたようです。そして、その女の子は何事もなかったかのように立ち上がりました。

お母さん、喜びましたねえ。私だってとっても嬉しいですよ。要するに車にぶつかって転んだ時に骨盤を歪めてしまっていたのでしょう。(こういう時に患者さんに説明するのに確かに骨のズレ、というモデルは便利ですよね)。傷病名をつけるなら「腰部捻挫」ということになります。

さて、これからが本題です。このケースでは自賠責を使っての治療だったのですが保険会社は「腰部捻挫」での保険請求を拒否しました。あくまでも足関節の捻挫で請求してくれ、というわけです。足でも腰でも一部位治療した時の料金は変わらないのでどちらでもいいのですが、もし私がこの患者さんを初めから診ていればどうか。当然初診時には足の症状もあったわけですから足と腰と二部位を保険で請求していたことでしょう。

ところが患者さんの訴えは足の痛みだけです。

下手をすると保険者(健康保険組合など)はこういうケースを不正請求とみなすでしょう。支払い側と治療者との見解が一致することは、まずあり得ないと思います。

ただ、もし腰の治療をしなければ患者さんの回復はずっと遅れただろうと思います。

私は健康保険の取り扱いをやめて長いことたちますのでこの件について自分の意見を述べることは遠慮します。私はあくまでも外からしかこの問題を見ることはできません。

でも、皆さんはどんなふうにお考えですか? にほんブログ村 健康ブログへ
にほんブログ村

ラブユー柔道整復

何回かにわたって柔道整復業界の問題点について書いてきました。書いたところでどうなるものでなし、と言われればそれまでですが整骨院を受診される際のご参考になれば幸いに存じます。

さて、繰り返しになりますが肩こりや腰痛などにクイックマッサージまがいの施術をしてこれを保険請求すること、有資格者以外の人間に(養成学校の学生など)施術をさせること、この二つが現在整骨院業界の抱える大きな問題点です。早急に手を打たなければ柔道整復師の保険取り扱いは完全に消滅してしまうでしょう。ライセンスを持った人間以外は患者さんに触らない、という常識以前のルールを守るだけで悪徳業者の大半は壊滅するのですが、ねえ。

あと、もう一つだけこの話題について。

「クラニオセイクラル専業で、保険の取り扱いもしてないんだったらわざわざ整骨院、という名前にしなくてもええんちゃうの?」と言われることがよくあります。確かにその通りで整骨院の名称を付けたがために柔道整復師法による様々な規制を受けることになります。同業にはそれを嫌って無資格のセラピストとおなじ「整体」「カイロプラクティック」で開業している方もおられます。こうしておけば広告その他の制限を受けることなく好きなように開業できます。保険は使えませんがそれこそ無資格者に施術させてもどこからも文句は出ないでしょう。

でも、私は柔道整復師であることを心から誇りに思っています。そうして柔道整復師が臨床を行う場所は、やっぱり「整骨院」であるべきだとも思っています。ここを安易に妥協したのでは私のセラピストとしての一分が立ちません。

にほんブログ村 健康ブログへ

諸悪の根源(徒弟制度の残滓)

さて、何回か述べてきましたように整骨院のなかには養成学校の学生に施術をさせて(この時点ですでに不正です)さらにそれで保険請求を行う、という手口が蔓延しています。復習しておきますと、無資格の助手が行うことのできる行為は「包帯を巻くことや湿布薬の交換、副木を当てるなどの補助的な業務」ということになっているようです。

無資格の助手に患者さんを触らせる、という発想自体が普通では考えにくいですよね。少なくとも医療を標榜するのなら絶対に容認できないはずのことを皆やすやすとやっている。なぜか?

これはかつての徒弟制度の名残、ということであろうと考えます。私が養成学校に入ったころは学校へ入る前にまず、どこかの柔道整復師に弟子入りする必要がありました。でないと、養成学校の入学試験になかなか合格できなかったのです。弟子入りすることで養成学校の関係者にコネを作らないと合格は難しかった。どのくらい難しかったかというと、大学受験予備校で現役の講師をしていた私が自分の教えている科目で受験して不合格になってしまうくらい。

実際入学のからくりを知らずに試験を受けたもので、不合格の通知が来た時にはびっくりしましたね。試験は簡単だったし、それまでに柔道整復学校の志望者対象の模擬試験、というのを受けたことがあるのですが全国ダントツの一位でした。受験についてはプロですから学校のレベルについても当然見当はついてました。

なんで不合格になったのかわからないまま別の学校を受験して、こちらは当然のごとく合格。入学してみるとクラスメートは皆、整骨院のお弟子さんばかりです。そうでないのは整骨院の息子か娘。整骨院勤務、といってもコネで入学させてもらったお礼奉公なもので待遇はひどかったようです。給与が月に一万円なんてのもいた。彼らが何をさせられていたかというと無資格施術ですよ。ついこの間学校へ入ったばかりの学生が一人前の顔をして人の体を触っている。

もっとも、このころには既に整骨院に骨折や脱臼の患者さんが来ることは少なくなっていましたから彼らがやらされるのは無資格のマッサージまがいです。老人保健は月一回八百円支払えばいい時代でしたのでそれこそわんさと高齢者の患者さんが来ていたそうです。整骨院がレジャーランド化していく過程です。

無資格の、安い労働力を使って慰安娯楽に近い施術を提供して、それで保険請求して儲ける、というパターンがこうして形作られてきました。そしてそのころ安い賃金でコキツカワレテいた層が現在、偉ぁい先生になって地域医療に貢献しておられるわけです。

現在では柔道整復師の養成学校に入学するのにコネは必要ありません。養成学校の数が爆発的に増加したからです。以前のような前近代的な徒弟制度は消滅しました。でも、どうやれば儲かるか、というパターンは残滓のように残っています。

業界が本気で柔道整復師の保険取り扱いを守るつもりなら簡単です。養成学校の学生を施術所の従業員にすることを禁じればいい。それに対してあれこれ異論をはさむのは、無資格の助手を使って儲けている証拠だと思います。

にほんブログ村 健康ブログへ

黒幕(整骨院業界は金のなる木?)

奈良でまたまた整骨院の不正が発覚しました。奈良県の私大で野球部の総監督をつとめる男が自分の経営する整骨院で保険の不正請求を行っていたものです。不正請求(というか詐欺)の手口が自分が指導している野球部員を使っていたというのですから悪質です。一部の不届き者が起こした事件、では済まされないほどにこの手の不正が後を絶ちません。

ただ、このニュースを見ていてふと思いました。この総監督、年齢は五十歳とありますから私と同世代です。整骨院の開業が2006年ですから開業してから二年とちょっとしかたっていません。マスコミの取材に対して「整骨院の経営が思わしくないので不正請求に手を染めた」旨、述べているそうですが私にはそうは思えません。

たぶんこの男、柔道整復師の免許は持っていないのでしょう。柔道整復師の免許を持たずに整骨院が開業できるのか、と言えばできます。整骨院の開設は柔道整復師以外でも可能です。(病院や診療所も医師以外が開設できますが、この場合は都道府県知事の許可が必要です。整骨院の場合開設者がだれであっても届け出だけで構いません。)

ですから、資金力のある企業で整骨院業界に参入してくるところは多いです。また、小金のある人(中小企業のオーナーなど)が整骨院を開業することも多いです。芸能人の副業のひとつにもなっているといいます。
そんな整骨院が儲け以外のことを考える方が不思議なくらいで、当然そこには好ましからざる事実があるのでしょう。

たとえば柔道整復の学生を大量にアルバイトとして採用しているところ。学生は柔道整復師ではありませんから施術はできません。助手としてできる仕事はせいぜいがシップの交換とか包帯まきの手伝いくらいでしょう。そのくらいにしか使い道のないものを大量に雇い入れて一体どんだけ湿布を貼るのでしょうか。

さらに驚くべきことに「免許の貸し借り」というのまであるそうです。これは時々卒業前の学生から相談を受けます。「柔道整復師の資格を取ってから、鍼灸の学校へ行く予定をしてるんやけどその間免許貸して、って言われてるんやけどソレっていいの?」もちろんダメです。明らかにこれは犯罪で、「こんなことを申し出てくる人間にマトモなやつはおらんから相手にしたらあかん。」と言うのですがそういう整骨院もあるのでしょう。

そして今回の事件です。大学側のコメントを新聞で読む限り「大物」OBである総監督の不正行為に野球部ぐるみ加担していた感はぬぐえません。(下手すると大学ぐるみ、かもしれませんね。)そしてその裏には資格を金で貸し借りする柔道整復師やその他もろもろの業界にたかる人々がいるのでしょう。柔道整復師を「資格」ではなく健康保険を取り扱うことのできる「利権」と考える人間の多さに最近私は憂鬱です。
 

にほんブログ村 健康ブログへ
カレンダー
01 2025/02 03
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28
フリーエリア
最新CM
[02/26 かなややすひろ]
[02/26 岡ヤン]
[02/25 かなややすひろ]
[02/24 さて]
[02/24 岡ヤン]
最新TB
プロフィール
HN:
かなや やすひろ
HP:
性別:
男性
職業:
柔道整復師
自己紹介:
大阪市在住。医療系専門学校で教えるかたわら自宅兼のちっこい治療院でクラニオセイクラルのセッションを行う。好きなこと:講義すること、治療すること、飲むこと。嫌いなこと:お医者さんごっこ
バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
カウンター
Designed by PLP
忍者ブログ
[PR]