お父さん塾で疲れた肩もんで
新聞の「サラリーマン川柳」にこんな句が載っていました。塾帰りの小・中学生が栄養ドリンクを飲んだり鍼灸マッサージに通ったりするのが話題になったのはもっとずっと以前のことです。
何時間も勉強してるんやから仕方ないやないの、といわれますが本当にそうか?
私は二十数年前、受験産業にいたのですが肩こりの生徒なんて見たことがありませんでした。そもそも子供用のドリンク剤、と言うのは女性用に発売されたものだという話を聞いたことがあります。「女性がドリンク剤飲んで何をがんばるねん」と言う目で見られるので買いにくいから「子供用」と言うことで発売されたのだそうです。
さて、それでは近年の受験生の肩がこるのはなぜか?
目の酷使、だと思います。
今の受験生の方が長いこと勉強しているという意味ではありません。昔の受験生と現在の彼らの決定的な違いは「目を一時も休ませていない」ことに尽きます。ファミコンが発売されて家庭のテレビでもゲームができるようになりました。その後各種の家庭用ゲーム機が発売されて青少年が熱中するようになりました。
そして携帯電話です。
ご承知の通り若者たちがコミュニケーションをとるのはメールです。本当にのべつ幕なし、と言う感じで彼らはメールのやり取りをしています。これにはルールがあるそうでメールを受け取ったものはすぐに返事を出さなければならない由です。
教えている学生でも同じことで授業中に携帯電話で会話するお利口さんはいませんがメールにはすぐに返事を打っています。それはマナー違反と言うよりは強迫観念に取りつかれているかのように見えます。
つまり彼らは勉学で目を酷使しているうえに勉強の合間にも目を使い続けています。それは肩もこりますよ。
それよりも私が心配なのはそこから始まる体のバランスの崩壊です。
携帯電話が一種の愚民教育のためのツールであるというのは私の持論なのですがひょっとしたらこの動きはもっと以前からひそかに進行していたのかも知れません。
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