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大阪市西淀川区にあるクラニオセイクラル専門の整骨院院長のきまぐれ日記

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古法(昔の脱臼整復法)

江戸時代の骨折や脱臼の整復法、というのに興味をもっていた時期がありました。

たとえば顎の関節の外れた患者さんが来院しました。現在であればゴム手袋をはめて口の中に指を入れて下顎骨をひょいとすくい上げるようにすると(うまくいけば)元に戻ります。これは「ヒポクラテス法」といって医聖ヒポクラテスが考案したとされる手技です。

江戸時代の日本では患者さんに木の枕をあてがい床に寝かせます。そのあと患者さんの緊張が緩んだのを見計らって術者は枕を蹴飛ばします。患者さんは床で頭をぶつけますがその時の衝撃で顎の関節が元に戻る、というのです。

一見乱暴なようですが実は現在のカイロプラクティックで使っている「ドロップテーブル」という矯正用のテーブルも同じ原理によるものです。

現在、中山清先生の「武医同術」というすごい本を読んでいてここにもかつて柔術家が行っていた顎関節脱臼の整復法が載っています。

患者を酒に酔わせておき、おもむろに辛子をかがせます。くしゃみをした拍子に脱臼が整復されるのだそうです。

「武医同術」がなぜすごい本なのかというと「古来、柔術家の手当て法であった」はずの柔道整復法がなぜ整形外科のダイジェストみたいなことになったのか、その理由と経緯が明確に書かれているからです。そうして柔道(柔術ではない)が接骨をどう見ていたか、ということなども明らかにされています。

この辺の内容についても追ってご紹介できればと思っています。
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骨折防止パンツ

昼のワイドショーというのを時々見ます。

芸能ネタや政治についての話題が多いのですが健康がテーマになることもあります。

今日見ていると「転倒防止」の話をしていました。家の中で転倒しても思わぬ怪我をします。転んだときに手をつけば手首(橈骨遠位端:コーレス骨折)や肩のところ(上腕骨外科頸)尻もちをつけば背骨、と転倒は骨折のリスクを伴います。

さらに転んだときに太ももの外側(大腿骨大転子)をぶつけると足の付け根の骨折が起きることがあります。大腿骨頸部骨折、というのですがここが折れると場合によっては寝たきりになってしまいます。

番組でこの骨折を防ぐためのパンツ、というのを紹介していました。ふつうのおばちゃんパンツなのですが大転子のところにクッションが入っているのです。転倒してもこのクッションが転倒時のショックを吸収するので大丈夫、ということのようです。

実際には高齢者の骨折は骨粗鬆症がベースになっており軽い外力でも骨折が起きます。だからせっかくのパンツも効果を十分に発揮できるのかというと少し怪しいように思います。やっぱり骨折の予防には転倒防止が一番みたいです。

同じ番組で転倒の危険は「ぬかづけ」なのだそうです。「ぬ」れたところ(浴室など)、「か」いだん、かた「づけ」られていない部屋が転倒のリスクが高い、ということです。片づけの苦手な私としては耳が痛い話です。

中足骨骨幹部骨折

足首から下の骨はつま先の方から趾骨(足の指の骨)、中足骨(足の甲の骨)、足根骨(かかとの周辺の骨)に分けられます。

中足骨は直接ものがぶつかった時と足をひねった時で折れる場所が違い、よく国家試験に出題されます。

保険治療をやめてずいぶんになり、地域のクライアントはうんと少なくなったのですがそれでもありがたいことに昔拝見した方が声をかけてくださることがあります。今日もTOMOと駅前のロッテリアに行くと見覚えのある方がおられました。

「元気?」と尋ねると、「足の骨折ったんや」との答え。

「どのへん?」「足の甲」

さっきの話に戻ると中足骨は足の上にものを落としたときに真ん中のところで折れ、このときは骨折したところに傷口が開くこともあります。そうなってしまうと接骨院では手に負えず、病院で傷口を処置してもらわないと骨折部が細菌感染を起こすこともあります。

ところがこの方は地面においてあった鉄板のにつまずいた際にその角のところで足の甲をぶつけて骨折したのでした。

「これがその時の鉄板」ケータイをとりだしてけがをしたときの現場写真を見せてくださいます。

「折った直後はこんな腫れとったんや」
「おお、これはすごいわ。」
「治療はどないしたん?」
「手術したらはよ治るて言われてんけどイヤやいうてん。」
「それで?」
「湿布貼って病院でもらった痛み止め飲んどったら」
「うんうん」
「見て、もうクツ履いてるやろ」
「そらよかった。そやけどこけたり(転んだり)足の上にモノ落としたりしたらあかんで」
「それは病院でも言われた」

久しぶりに顔を見た方と骨折の話で盛り上がりました。ヘンですかね。

骨筋(イキモノは左右対称か)

コルグン、と読むそうです。テレビを観ていると韓国発祥の新しいエステ、みたいな感じで紹介されていました。
小顔になり顔が左右対称になるのだそうです。

手技の詳細はわかりませんが顔や首の筋肉をぐいぐい、という感じでほぐしていました。

骨の周囲の軟部組織を緩めてやれば関節は動きやすくなりますから(整体で矯正手技の前に手や機械で筋肉をほぐすのはこのため)きっと小顔にもなるし顔も左右対称になるのでしょう。効果についてうんぬんするほどにコルグンという手技については知りませんがこの点については間違いのないものと思います。

でも、左右対称の顔って見たことあります?

「何言ってるの。たいていの人の顔は左右対称でしょ?」残念ながら違います。ご自身でも女優さんの顔写真でもいいですから正面からのポートレイトのちょうど真ん中に手鏡を置いて右半分だけの顔、左半分だけの顔というのを作ってみてください。

「なんかヘンな顔。」そうです。元の顔と似てはいるけれど明らかにどこか変な顔になるはずです。これはどんな人の顔でやってみてもそうなります。

そう、顔は左右非対称が正常なのです。顔だけではなく手や足の長さもすべて人間は左右非対称になっているのです。

考えてみれば当然のことでニンゲンに限らずすべての生き物は地球という回転する球の上でバランスを保って生きているわけです。

ちょうど波に揺れる海藻のように私たちの体も地球の自転(、や宇宙のゆらぎ)にあわせて一定のリズムで揺らいでいるようなのです。

たとえば腰を傷めたとします。そのとき骨盤を調整して痛みが楽になるのは骨盤が左右まっすぐ対称になったからではなくて、何かの原因によって骨盤で妨げられていた揺らぎが回復したからではないか。

もちろん横になっている状態なら一時的に左右対称にはなるでしょう。でも左右対称であり続けることは意味がないし第一不可能です。

顔も身体も左右対称でなければならない、とクライアントを洗脳しておけば結構おいしい商売にはなるでしょうけれど。

報道は正義か?(健康食品をめぐるあれこれ)

ちょっと長い引用ですが昨日の朝刊の記事です。

「飲むだけで確実にやせる」「がんに効くといわれている」といった誇大な広告を使用する健康食品について、消費者庁は30日、悪質な業者名を12月から公表する方針を固めた。健康被害や効果がないなどの苦情が絶えないことから、健康増進法の運用を強化し、同法に基づく行政処分に初めて踏み切る。

 健康食品で「がんが治る」などと医薬品のような効能をうたうと、薬事法に触れ、刑事罰の対象になる。

 しかし、同法には触れないが、消費者を誤解させる広告は、インターネットを中心に少なくなく、国民生活センターには、健康食品について「飲んだら吐き気がする」「利用してもやせない」などの相談が、毎年1万5000件前後寄せられている。

 健康増進法では、病気の予防効果や栄養成分の効果などをうたう広告で「著しく事実に相違したり、著しく人を誤認させるような表示」を禁止している。

 消費者庁は今年6月以降、「最高のダイエット食品」「血行を整え、むくみを緩和」など、表現が不適切なネット広告を出している業者約300社に改善を求めてきた。12月になっても改善されない場合は、勧告を行った上で業者名を公表する方針だ。

 消費者庁はまた、商品を著しく優良と誤認させる表示を取り締まる景品表示法の運用も強化する方針。

 消費者庁が昨年9月に発足する以前は公正取引委員会の所管だったため、健康被害の防止よりも公正な競争の確保が重視されやすく、同法で健康食品の表示が取り締まられることは少なかった。【山田泰蔵】

 引用はここまでです。

お読みになっていかがです?これは日毎新聞(仮称)の記事なのですが当の新聞紙面に健康食品の広告はいくらでも載っています。

きょうの朝刊にも「今まで何を飲んでも満足できなかった方に 15種類の成分が歩く喜びを実感させる(グルコサミンの広告)」「健康に肝心!ウスハ(仮称)の活性ウコン」なんて広告が並んでいます。

これは法的には問題のない広告なのでしょうがどう見たって効果効能をうたっていますよね。今日が特別なのかというとそうではない。同様の広告は毎日、新聞紙面のかなり大きなスペースを占めています。

でもおかしいと思いません?国民生活センターに寄せられている苦情は「効かない」「飲んだら体調が悪くなった」ということです。こういう健康食品を放置しておいて広告の文面のみを取り締まるのは健康食品に対する苦情に対し「それはアナタが勝手に誤解しただけ」と言うのに等しいでしょう。

そうして新聞が健康食品の広告を掲載し続ける、ということはこういった健康被害についてはむしろ業者の肩をもつ立場であることの表明であるといえます。広告収入が入ってくるのなら人の健康など知ったことか、ということなのでしょう。

さらに新聞折り込みについては完全に無法状態。強引な営業と法外な価格でトラブルが多いとされる「クレロラ(仮称)療法」のチラシは定期的に新聞に入っています。

健康食品による健康被害を新聞が本腰を入れて報じないのは莫大な広告収入のせいだ、とはよく言われます。でも実際のところそんな縛りがあろうとなかろうとカネになればそれでよし、というのがマスコミの本質なのかもしれません。

ワタシも健康食品を愛用しています。薬剤師さんの話ではちゃんとしたメーカーの健康食品の方が安いし品質もいいそうです。聞いたこともないようなメーカーが高額な広告料金を支払っても採算が合う。そういう世界ではあるのでしょう。

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プロフィール
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かなや やすひろ
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性別:
男性
職業:
柔道整復師
自己紹介:
大阪市在住。医療系専門学校で教えるかたわら自宅兼のちっこい治療院でクラニオセイクラルのセッションを行う。好きなこと:講義すること、治療すること、飲むこと。嫌いなこと:お医者さんごっこ
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