漢方薬は保険外?
事業仕分けで漢方薬の保険適応が除外されることに反発して日本東洋医学会が四万人の反対署名を提出するというニュースがありました。
現政権のやっていることは文化大革命やポル・ポトと本質的には同じですから何がやり玉に挙げられるのかわかったものではない。みんな戦々恐々の日々を送っているわけです。
要は価値観の多様化を認めない、ということで当面は息苦しい日々が続くことでしょう。
さて、柔道整復師業界です。いちおう事業仕分けでも健康保険の取り扱いについては存続、ということになりそうです。しかし、もしも健康保険の取り扱いがなくなったとして患者さんが反対署名をしてくれるのか?
正直のところはなはだ心もとないでしょう。
なんでか、と言えばちまたの整骨院のサービス(と、あえて言います)そのものはほかの業種でも受けることのできるものばかりだからです。
もしもクイックマッサージに保険が適応されれば?という話ですよ。あるいは整形外科のクリニックで手技療法や物理療法に力を入れれば?柔道整復師、しんどいのと違いますか?
骨折や脱臼の治療にたけていても事情は変わりません。これらの傷病については整形外科のほうが(失礼を承知で言うのですが)現在ではどう見ても有利です。
レントゲン写真で診断し、麻酔下に整復したほうが確実だしクライアントの苦痛も少ないでしょう。そうして柔道整復師がこれらの傷病に施術を行おうとすればその前に医師の診察を受けなければならないと法律で(例外はありますが)きまっています。
結局のところ現在の柔道整復師がよって立つ基盤というのは医師の代替機能(健康保険の取り扱いもこの一環です)ということにつきます。だからこそ事業仕分けで生き残ったのかもしれませんが。
代替。医師の代わり。これだけクリニックや病院が立ち並ぶご時世にそんな理屈がいつまで通用するでしょうか。整骨院の保険取り扱いがなくなってもクライアントはいささかの痛痒も感じないのではないか、そんな風にも考える今日この頃です。
代替補完医療、の「代替」はそろそろ卒業しましょうや。医療のたらざるを補完するほうがよっぽど充実した毎日を送れますぜ。「整形外科医になれなかったセラピスト」なんて「妖怪人間ベム」みたいで悲しいじゃないですか。
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