誰が儲けるか?(仁術と言う名のビジネス)
ちょっと前に話題となった「アトピービジネス」と言う本をご存知でしょうか。跋扈するアトピー性皮膚炎治療をうたった民間療法に対する皮膚科専門医からの批判なのですが、医師対民間療法の対立の構図はどこでも同じやな、と興味深く読みました。柔道整復師は民間資格ではありませんが、開業整形外科医の一部の柔道整復師に対する攻撃はキョーレツなものがあります。
同書の中で著者の竹山先生は医師によるアトピー性皮膚炎の治療から、健康食品、温泉療法、果ては祈祷の類に至るまでを「ビジネス」としてとらえ直す、という試みをされています。これが、私がこの本を推す一番の理由です。
従来、医師の民間療法批判は「医師でないものが治療まがいのことをするのはケシカラン」というトーンのものがほとんどでした。それは正規の医療を受診する機会を患者から奪うものだ、というアレですね。
ところが、この「アトピービジネス」ではそれらをビジネスとして考察して、どの療法が患者にとって一番得か?と言う視点で論を進めておられます。少なくともアトピー性皮膚炎は普通に皮膚科で保険診療を受診してきちんと塗り薬を塗っておけば治る疾患なのだから、費用ばかりかかって効かない民間療法は損ですよ、と言うのが著者の言わんとすることだと思います。
柔道整復師に対する医師の批判の代表格、K大学医学部のH西教授の主張を読み返してみると論点がメチャクチャです。要は「医師でないものが患者さんをさわるのは危険だ」、と言うお決まりの建前に「三年しか教育を受けていない柔道整復師に医師と同じように保険を使わせといていいのか」、と言う本音が顔を出すので論点があっちこっちするのでしょう。
なーんだ、結局はゼニカネの話なのね、と言われるのが嫌なんでしょうね。
医学とか医療も経済原理からは逃れることはできないのでしょう。医療も(仲間に入れてもらえないようなので別に書きますが柔道整復も)サービス業として、より良いサービスを供給することで評価されるべきなのだと思います。
さて、最後に本題。どんなにすごい伝染病やねん、という報道をされている新型インフルエンザ。実際のところは弱毒性でそれほど心配の必要はない、と言うのが日ごろお世話になっている医師(複数)のご意見です。感染者が続々増えているような報道は不安になりますが、実際には不顕性感染と言って症状がでない人も多いはずなのだそうです。だから「疑い例」の人たちが受けている検査を私たちみんなが受ければとんでもない数の感染者が出現するのかも知れません。
それなら、今回の騒動で得するのはいったい誰?
にほんブログ村PR