骨はズレるのか?2(不動関節)
骨のズレの話の続きです。足の捻挫に伴って足の甲やすねの骨がずれるという話を書きました。背骨のズレから様々な症状が起きるという発想はカイロプラクティックやオステオパシー、整体などの各種療法の理論支柱になっています。足はともかく背骨のズレというのは部分的に現代医学にもあって脊椎すべり症なんてのもこのうちに入ります。もちろんカイロや整体の理論を現代医学が受け入れているわけではありませんが。
ところで、医学常識でズレる筈のない骨がズレると主張する人たちがいます。たとえば骨盤。仙腸関節という骨盤にある関節は不動関節と言って全く動かない、とされていました。ところがこの関節がズレるという考えで仙腸関節を調整するといろいろな症状が改善するのです。以前に紹介しましたゴムバンド療法もそうですし、カイロプラクティックでも仙腸関節の矯正法があります。
仙骨も出産時には仙椎といって脊椎のように自由に動いているのですが成長とともに癒合して一つの骨になってしまうとされています。ところがこの骨もズレると主張する人たちがいます。
そしてクラニオセイクラルです。頭蓋骨も一般的な解剖学では不動関節と言われています。でもクラニオのワーカーは頭蓋骨の矯正を行っています。
それらの治療法はそれではインチキなのか?
現代医学、あるいは解剖学では不動とされている関節なのですがこれを矯正することで現にいろんな症状が治っていく。それならばその作用機序として不動関節とされる関節も本当は動く、と考えてもいいのではないでしょうか。
頭蓋骨が本当に動くかどうかを研究するのは現代医学の仕事。私たち臨床家はそれが科学的であろうとそうでなかろうと、効果的な治療法をクライアントに提供していきます。
にほんブログ村PR