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大阪市西淀川区にあるクラニオセイクラル専門の整骨院院長のきまぐれ日記

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THE DAY AFTER(講演草稿です)

昨日アムス柔道整復師養成学院校友会でしてきた講演草稿です。これから数回に分けてアップしていこうかと思います。内容については過去にこのブログに書いたこととかなり重複します。

コンニチハ。金谷です。よろしくお願いします。以前講義をさせていただいた先生もおられますし顔だけ知ってるぞ、という在校生の方もおられると思います。ちょうど20年前の平成2年に柔道整復師の免許をとりまして大阪市内に開業しました。10年ちょっと前から専門学校で教えはじめまして、当初は整骨院の業務の合間を縫って講義に来ていたんですけれど、いつの間にか教える方が主になってしまってアムスと、もう一軒の学校と掛け持ちで講師をしております。臨床のほうは週に一回自宅で患者さんをみているのと、あと、広島の開業医の先生のところでも月に一回ですけれど治療を行っています。主にやっているのがクラニオセイクラル、頭蓋骨の矯正で保険を使わずに実費でやっています。柔道整復師になる前は学習塾や予備校で教えていたんで授業するのは慣れっこなんですけれど講演、というのは生まれて初めてなんで正直のところドキドキしています。よろしくお願いします。
 
私が教員になったころから柔道整復師が増え始めました。就業している柔道整復師の数は平成10年の29087人から平成20年の43946人、50パーセント以上の増加です。平成22年の現在は―年に5000人ずつ増加していますから―もっと増えているでしょう。整骨院の数も同じくらいの割合で増えていて平成10年の23114件から約51パーセント増えて34839件。これも2年後の現在はもっと増えているでしょう。今あげましたのは厚生労働省の数字なんですけれど、そんなものをわざわざあげなくても柔道整復師もここにこんなにたくさんおられますし接骨院もどこにでもありますよね。ウチの町内でも私が開業したころは先輩のところが2件、ウチが3件目でした。それがこの数年で現在8件になっています。飽和状態といわれて久しい歯科医院が町内にやっぱり8件ですから確かに多いですよね。
 
接骨院が増えてどうなるか、というかどうなっているかといいますとまず一軒当たりの患者数が減ります。
以前は開業して半年くらいすれば患者さんも徐々に増えてきて食べるに困るようなことはなかったのですが最近では開業して一年たっても患者数ひとけた、というところも出てき始めているようです。経営がしんどくなると悪いことをするやつも当然出てくるわけで奈良の大学の野球部の監督が、自分の経営する整骨院で不正を行っていたとか、大阪の請求団体の幹部が21億円でしたっけ、すごい額の不正を行って逮捕されたりといったニュースも相次ぎました。
あと情けないのが呼び込み。大阪市内のとある商店街を歩いていてびっくりしたんですけれど白衣を着た若者が呼び込みをやってるんですよ。「マッサージいかがっすか」みたいなかんじで。あんまり驚いたんでブログにそのことを書いたら「うちの近所でもやってる」て言うコメントがきまして2度びっくり。別の商店街では道行く買い物客にすがりついて「お願いします」とか言ってるところまであるらしいです。
 
大半の整骨院がしんどい中必死でまじめに頑張っていてもこういうところが出てくると業界全体のイメージが良くないですよね。それこそ水の中にインクを一滴落とせば水全体がインク色になってしまう、みたいなことになってしまいます。ご存知の方も多いでしょうけれど今回の療養費の支給基準の見直し、というのはそういう世間の気分というものを如実に表しています。たとえばレセプトに患者さんの来院日を記入せよ、なんてのは柔道整復師がズルをしないように、ということですよね。今までは性善説、といいますか柔道整復師と保険者の間の信頼関係にもとづいた保険請求がされていたと思うんですよ。それが今回は「目を離せばズルをする」ということを前提に支給基準が定められることになってしまいました。一部の不届きものがズルしたために業界と保険者との信頼関係が壊れてしまった、ということです。それだけではなくて世間の柔道整復師をみる目も随分と変わってきていますよ。軽く見られている。家内の身内が同業なんですけれど、お母さんが友達に言われるんですって。「私の通っている整骨院は月に三日しか通っていないのに役所から送ってくる医療費のお知らせをみると二十日も通ってることになってる。あんたのところ(家内の実家の整骨院)でもそんな不正やってんの?」柔道整復師が「そんなもの」と見られてしまえばそれこそマッサージの器械とあんまり変わらないような見方しかされなくなる。整骨院に来院する理由が「保険が使えて安上がりだから」だけならそんなものに存在価値なんてありませんよ。
たとえば例の事業仕分けで漢方薬の保険適応が廃止になりかけたときに業界だけでなく患者さんから反対の声が上がりました。柔道整復師の療養費の保険扱いがなくなる、と聞いてみんなが反対してくれるかというと、正直どうかな、とおもいます。保険の取り扱いは言ってみれば患者さんの必要に応じたものであって、つまり患者さんからの要望があって行われているわけで保険の取り扱いが厳しくなってきているということは患者さんから柔道整復は必要とされなくなりつつある、といえるのかもしれません。
 
次回に続きます。
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プロフィール
HN:
かなや やすひろ
HP:
性別:
男性
職業:
柔道整復師
自己紹介:
大阪市在住。医療系専門学校で教えるかたわら自宅兼のちっこい治療院でクラニオセイクラルのセッションを行う。好きなこと:講義すること、治療すること、飲むこと。嫌いなこと:お医者さんごっこ
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