シンクロニシティ
クラニオセイクラルはクライアントに主として仰向けになっていただいて施術をします。ところが人によっては仰向けになれないこともあります。
たとえば高齢者で脊椎の圧迫骨折というのがあります。尻もちをついて転んだ際に背骨がつぶれてしまいます。一定期間固定しておけばくっつくのですがいつまでも背中の痛みが残ることがあります。
広島でいちどそういう方にセッションをしたことがあります。「仰向けになってください」というと「痛くてできません」という返事が返ってきました。横向きにしか寝ることができない、とのことです。不思議とこのときはギブアップは考えませんでした。シンクロニシティという手技が使えると思ったからです。
横向きのままでクライアントの背中側に回り片手の手のひらを後頭骨に当てます。もう片っ方の手のひらを仙骨に当てます。クラニオセイクラルで何を調整するかと言えば脳脊髄液の循環です。そうしてこの体制では脳脊髄液の循環は仙骨と後頭骨の動きとして触診できます。
手を当ててしばらくは何も感じません。やがてかすかな動きが感じられてきました。ところが健康な人のように後頭骨と仙骨が同調しません。どこかで引っ掛かっている感じ。
骨折した場所は胸椎と腰椎の移行部、肋骨の下あたりです。そこでまず後頭骨と骨折部に手を当てて脳脊髄液のリズムを誘導します。次に骨折部と仙骨に手を当てます。数分間そうしておいてもう一度後頭骨と仙骨に手をあてると今度はちゃんと両者の動きが同調して脳脊髄液の力強い循環が触診できました。
なにぶんご高齢のクライアントでもあり、一度のセッションで完治とはいきませんでしたが回を重ねるごとに症状は改善していきました。
ご自宅での手当て法としても使えます。もちろん圧迫骨折だけではなくて全身調整に使えますので試してみてください。脳脊髄液の動きが仮にわからなくても効果は同じようにあります。手をあてる時間は10分から15分くらいです。
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