ヒザの痛みはどうやって治す?
クラニオセイクラル専業になってからひざの痛みが主訴、という方はあんまり診る機会がなくなりました。ちょっと前に書いた頚椎一番の矯正で半月板手術後の痛みがなくなった例などもあることはありますが。
膝関節というのは太ももの骨(大腿骨)とすねの骨(脛骨)とで成立しています。自由に屈伸できる関節でありながら体重を支えておかなければならず(要するに安定していなければならず)なかなか大変です。
膝の安定には靭帯が関与します。前後方向の安定には十字靱帯。横方向の安定には側副靭帯。
スポーツ時のけがでこれらの靭帯が断裂したときは整骨院よりむしろ病院へ行かれた方がいいです。けがの状態をきちんと診断してもらった上で場合によっては手術の適応になることもあります。
膝に水がたまったときはこれも以前に書いたとおりカーボン灯を照射してから圧迫包帯を巻いておくと大体腫れは引きます。そのあと痛みが残っているときは大腿骨と脛骨の位置関係がおかしくなっていることが多いのでこれを矯正します。
成長期の膝の痛みは骨と筋肉の成長のスピードが異なるために起きることもあります。骨の成長に筋肉が追い付かず、ひざのお皿の下あたりに痛みを訴えます。オスグッド・シュラッテル病という名前が付いています。これも大腿骨と脛骨を矯正するとよくなることが多いです。場合によっては骨盤のゆがみを矯正する必要があります。
股関節に何らかのトラブルがあるときに、膝の痛みを訴えることがあります。幼稚園くらいの子供さんが変な歩き方をしていて聞いてみると「膝が痛い」と答えたりします。ペルテスといって大腿骨の端っこの部分に血液が通わなくなって起きます。似たような病気がいくつかありますのでこれも整形外科で診てもらった方がいいです。
高齢の方の大腿骨の付け根(大腿骨頸部)が転んだ拍子に折れることがあります。たいていはそのまま立てなくなりますが、まれに折れた所がうまくかみ合って起立歩行が可能な場合もあります。こんな時患者さんは「転んで腰を打ってから膝が痛い」と訴えることがあります。これも整骨院の守備範囲ではありません。たいていは手術の対象になります。
きちんとした整骨院なら原因を聞いて、症状を見て、整骨院で対応できるけがかどうか判断してくれます。その上でどうしたらいいのかを患者さんの希望も聞きながら考えてくれます。何でもかんでも自分のところで抱え込んでしまわずに適切に交通整理してくれるところが本当にいい整骨院だと思います。残念ながら国家資格のないところではこの判断をできるだけの知識がありません。
もっとも、ちゃんと柔道整復師の資格があるところでも検査もせずに膝に電気治療器を当てたりするようなところもあります。せっかくの国家資格が泣くぞ。
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