「認定柔道整復師」はいらない
「柔道整復診療と療養費の問題協議会」というミーティングが行われています。業界団体の一つが主催しているのですが民主党の国会議員なども出席していたりで、業界内でも注目を集めています。
現在までに二回、ミーティングが持たれているのですがそこで注目されているのが「認定柔道整復師」というものを設けてはどうかという論議です。
簡単に言ってしまえば健康保険を取り扱える柔道整復師とそうでない柔道整復師にランク分けを行おう、ということのようです。
同様のことは柔道整復師に批判的なK大学の整形外科教授のH西先生もおっしゃっていました。先生は「日本柔道整復接骨医学会」の認定柔道整復師のみが健康保険の取り扱いができるようにするべきだ、ということを主張しておられたのですが今回の論議は新たに資格制度を設けようということのようです。
現在際限なく増え続ける柔道整復師と、それに伴う業界のレベルの低下。もっと露骨に言ってしまえば健康保険を使った目に余る不正をどうにかしなければ、という建前がこの議論のベースになっているようです。
業界の現状については私も十分に承知していますし一部の同業者の目に余る行為を情けない思いで見ています。でも、柔道整復師のランク分けについてはこんな風に考えています。
嫌なこった。
私は柔道整復師の数が今ほど多くなかった時代も知っています。確かにその頃は整骨院の数も少なかったしそのぶん患者数も多かった。もっとはっきり言ってしまえば実入りが良かったわけです。
ただし、保険の取り扱いについて一部の人間が(具体的にいえば地方の柔道整復師会の一部役員)ヘゲモニーを握っていて一般の会員は彼らのご機嫌をうかがいながら業務を行っていました。
当時の腹立たしい思いは今でもいくらでも思い出すことができます。
現在では地方社団の役員も幹部も(少なくとも私の所属する会では)ずいぶん低姿勢にはなりましたがこれは柔道整復師が社団法人に入会しなくても健康保険の取り扱いができるようになって社団に入会する人が激減したからにほかなりません。
もし、新たな「認定柔道整復師」制度が始まれば、認定をだれが行うとしても保険取り扱いを巡って柔道整復師の間に再び力関係の強弱ができることになるでしょう。
業界の幹部でなかったならば歯牙にもかけないような「おりこうさん」に威張り散らされるくらいなら苦しいながらも工夫を凝らしてやりくりしている現状のほうがはるかにいいです。(私は保険を使っていないからそんなことがいえるのかもしれませんが)
仮に保険の取り扱いをしなくても必要とされる柔道整復師は生き残っていきます。威張りんぼはもう結構。
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