ドウジ(広島弁‘怪’説講座)
手技療法やその他の物理療法では施術後に体がだるくなったり、患部以外外に痛みが出たり(以前けがをしたところであることも多い)といった何らかのネガティブな反応が出ることがあります。
施術の翌日に出ることもあればしばらく症状が軽快した後に出ることもあり、全く出現しないこともあります。
「好転反応」とか「反動」とか呼ばれることが多いですが漢方では「瞑眩」(めんげん、と読みます)と言います。
マッサージやあん摩の施術を受けた後の「揉み返し」と同様のものと説明されることもありますが、揉み返しのほうはむしろオーバードーゼ(刺激量過多)によるものでしょう。
瞑眩、あるいは好転反応の場合は軽い刺激でも(たとえばクラニオセイクラルのような手技でも)発生します。崩れた体のバランスが元に戻るための過程ですよ、という説明をクライアントにはするようにしています。
体の奥底のひずみが解消されていくプロセスなんです、と説明することもあります。
さて、この瞑眩、あるいは好転反応を広島では「ドウジ」と呼びます。広島市のふじわら医院さまに出かけるとこの単語をよく聞きます。藤原先生からこの単語を最初に聞いた時は(ドーゼ=刺激のような)外来語かな?と思ったりしました。
話の流れから瞑眩を指しているのはわかったので特に尋ねはしなかったのですが方言らしい、と気づいたのはヒロシマのクライアントもみんなこの単語を使っているからでした。
「前回治療してもらってからしばらくだるくてたまらんかった。ドウジが出たんじゃろうか。」というふうに。
そうしてつい昨日のことです、ドウジは「動じ」ではないかと気づきました。体をゆがませる原因となったエネルギーが体のどこかに滞留している。(クラニオセイクラルではこれをエネルギー・シストと言います)それが治療によって「動じ」心身は快方に向かう。
今度広島に行ったら「ドウジ」ってどんな漢字をあてるんですか?と尋ねてくることにします。「何をいまさら」という顔をされるのでしょうか。でも「童子」とかだったらどうしよう。
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