ミミクリー(擬態)
どこかの国のオリンピック代表選手が服装のことであれこれ非難を浴びています。増長させるだけさせておいて、いきなり手のひらを返すように「自覚」とやらを求められても当の本人もなんでそんな問題になっているのかわからんでしょう。
TPOというのはもちろん大切で講義の際や学会にラフな服装で出向くことは常識以前のモンダイでしょう。ごくたまに学会で自分の教えている学生がネクタイを締めていないのを見かけると、こちらのほうがいたたまれない気持ちになります。
ただ、施術の際の服装は以前にも書きましたように私はジーパンにトレーナーかポロシャツです。
かつては白衣を着ることにはそれなりの格式があったのですが現在ではそれよりも衛生や作業効率が重んじられるようになり、白衣そのものの持つ意味は薄れつつあります。看護師さんのナースキャップが廃止されつつあることなどもその表れでしょう。
ただ、一般の人には白衣がそれなりの権威をもって見られていることも事実のようで、血圧を測るときに白衣を着た人が測ったほうがそうでない場合よりも患者さんの血圧が高かったりすることがあるのだそうです。
そのためかどうか、無資格のセラピストのほとんどが白衣を着たがります。彼らの施術所のホームページを見てみると白衣に身を包んだ写真がドーンと載っています。そうしてほとんどと言っていいほど何らかの権威付けが行われています。
曰く、カイロプラクティック(オステオパシーでもいいや)はアメリカでは医療として認めれれている。ドクターとして認められている。そんなに医師になりたいのなら勉強して医学部に行けばよかろうにそういう治療師に限って週に一回のスクールに半年通った程度の勉強しかしていなかったりする。
自信のなさの裏返し、であったりもするのかもしれません。
私が白衣を着ないのは「オレは自信にあふれたセラピストだゾ」と主張したいからではなく、じぶんのやっていることは「医療」とは違うカテゴリーに分類されるのだろうと考えているからです。
柔道整復が「医療」に分類されるのかどうかは議論のあるところですが、それとは関係なくクラニオセイクラルという手技はきっと医療ではないのだと思います。
考えてみればうちにおいでのクライアントあっちこっちの病院で白衣を着た先生に(これこそ本物の権威でしょう)診てもらってそれで改善しなかった方々なのですから権威なんてどうでもいいことなんだと思います。
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