上腕骨骨幹部骨折(サッカー韓国戦)
12日のサッカー韓国戦で日本の駒野選手が上腕骨を骨折しました。
上腕骨は年齢によって折れる場所が違っており、おおまか高齢者は肩のあたり(近位端部)、小児は肘のあたり(遠位端部)が骨折しやすく青壮年では真ん中あたりが折れます。
傷病名をつけると上腕骨骨幹部骨折、「骨」という語が3つもつきます。
さて、この骨幹部骨折、私たちは学生時代「骨癒合しにくい」と習いました。国家試験でも上腕骨骨幹部骨折の後遺症は「偽関節(骨折がくっつかない状態)」というのがしょっちゅう出題されています。
ところが整形外科学で一番ポピュラーな「標準整形外科学」という本を見ていると「開放骨折が少なく軟部組織に包まれ良好な結構があるため、骨癒合が得られやすい部位である。」とあります。
最近「柔道整復学」の教科書が改訂されました。上腕骨骨幹部骨折の項目を見てみると相変わらず「この部分の骨折は筋に囲まれており骨癒合はよいとされているが、中央部の横骨折や遠位1/3部の横骨折に近い斜骨折は骨癒合が悪く、偽関節が発生しやすい」とわざわざ強調してあります。
どっちやねん。というか無理やり柔道整復学の「独自性」を強調しているように見えます。あんまりカッコ良くないな。
いずれにせよ駒野選手の一日も早い復帰を待ちたいですね。
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