手技療法は罰ゲームか?
時々テレビ番組で足裏マッサージを芸能人が受ける、というシチュエーションがあります。効果的な治療、というよりは受け手の芸能人が痛がる様子を見て笑いのネタにする、というのが多いです。
昔は整体系の手技療法がその手の番組にはよく出ていて、「たけし軍団」が首や腰をバキバキ鳴らされて悲鳴を上げるシーンはあんまりバラエティを見ない私が記憶しているくらいですから結構頻繁に放映されていたのでしょう。
一番情けなかったのが二人の「整体師」がお互いに手技を掛け合って「どちらがたくさん相手の骨を鳴らしたか」を競うというお利口な企画です。
このときのレフェリーが某整体学校の幹部。このときはどっかの自治体の議員さんだったとおもいます。
いまでも時折メディアに顔を出して「カイロプラクティックの法制化を」なんてことを言っていますがそんなつもりが全然ないからこそそんなくだらない番組に出演したのでしょう。
手技療法の資格制度がどうの、という話は今回は抜きにして、人の体を預かる責任とか自分の職業に対する尊厳とかを持たない人を治療師とはよんでほしくないものです。
その手の番組が放映されると「どこでもいいからボキボキ鳴らして」というヘンタイが来院して(しかも保険証を持っていたりする)追い返すのに往生したものです。
足裏マッサージでも痛いのを喜ぶ趣味人に難儀しておられるのでしょうか。
この手のパフォーマンスが手技療法にとって(認知度を上げる、という意味合いでも)百害あって一利もないのは明白でしょう。
バラエティの罰ゲームに歯科医師が登場して芸人さんの歯を削る、というパフォーマンスが番組として成立しえないのと同じ理屈だ、と断言できないのが情けない話なのですが。
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