解剖学(セラピストの憂鬱)
正直に告白しますと解剖学があまり得意ではありません。(生理学はもっと苦手でほぼ完全にお手上げ状態)
解剖学は暗記科目ではない、とはよく言われます。高校時代に日本史や世界史の先生もおんなじことを言っていた記憶があるのですがやっぱり必要な項目を覚えていないことには話になりません。
「暗記科目」という言葉に否定的なニュアンスを含めておられるのが不思議なのですが英単語を覚えていなければ英語は読めません。ネイlティブの中には達者に英語をしゃべることはできるけれど書くのは苦手、という人も少なからずいるでしょうがそれは日本の英語教育の目指すところではないでしょう。
解剖学でも同じことで「理解」するためには基礎的な項目を理屈抜きで暗記するしかなく、暗記を効率的に行うためには「理解」が必要とされるのでしょう。少なくともセラピストにとっては解剖学というのは臨床を行う上で(あるいは国家試験に合格するために)必要にして十分な知識を得ることに尽きるでしょう。
ところが私はどうもこれが不得手なのですよ。
なんとなく勉強の仕方が腑に落ちない。試験勉強のやり方ならわかるけれど臨床家としてそれでいいの?という声がどこからか聞こえてきます。
そんなわけで書店で解剖関係の書籍を見つけるとついほしくなって買ってしまいます。いかにも専門書、というのではなく学生向きの参考書とか一般向きの書籍が多いです。
先日買ったのは「カラー図解 筋肉のしくみ・はたらき事典」(西東社)と「トリセツ・カラダ」(宝島社)の二冊です。どちらも好著ですが特に後者はよかったです。「チーム・バチスタの栄光」の作者、海堂尊が中学生くらいの読者を対象に書いたもののようですが少なくともこの種の本の中では群を抜いたわかりやすさと面白さです。
著者は小説家兼現役の医師なのだそうでそういう才能には嫉妬しますね。学校時代にこの本に出会っていたならば解剖学に対するフクザツな感情を抱かないですんだのかもしれません。
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