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このあいだTOMOの実家に行った時の話。姪に虫歯ができて歯医者さんに行ったら「記念写真」を撮ってもらったのだそうです。
大きく口を開いて虫歯の処置をしてもらっているところを正面から一枚、という感じでひょっとすればお母さんは喜ぶかもしれません。
最近は歯科医院とか小児科では子供が来院しやすいようにということで来院のたびにシールをくれたりガチャポンをさせてくれたり色々なサービスをしてくださるそうです。
経営努力、なのでしょう。医療だってサービス業なのだから経営についていろいろ考えるべきだしその一環として子供が来やすいような工夫をすることもあるいは必要なのでしょう。
でも、「記念写真」というのはどんなもんでしょうか。
たとえば整骨院には肘の抜けた子供の患者さんが時々見えます。子供のひじ関節は構造的に抜けやすくなっていて急に手を引っ張った時に亜脱臼を起こします。肘内障、という名前が付いています。
手を引っ張った際に突然子供が痛みを訴えて泣き出すのですから親御さんはびっくりします。
あわてて整骨院に連れてこられるのですがこの肘内障、比較的簡単に整復できることが多いです。
それでももちろん整復するときは緊張しますし他のけが(鎖骨が折れた時も同じような症状になります)との鑑別も必要になります。
もしその際、親御さんが一部始終をビデオで撮影しようとすれば私はお断りするでしょう。もちろん記念撮影をするだけの余裕もありませんしそんなことを考えたこともありません。
たとえば、ですよ。何かで手術を受けて開腹中に記念写真を撮ってもらおうかと思いますか?
人の体を預かる、ということはその人の命と対峙することです。それは医師であろうと歯科医師であろうと柔道整復師であろうと同じ事です。患者さんの命の重さは同じなのだからこの点についてはすべての医療資格に違いはありません。