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大阪市西淀川区にあるクラニオセイクラル専門の整骨院院長のきまぐれ日記

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難問に似て愚問(第18回柔道整復師国家試験)

今月7日に行われた上記の試験でネット上で話題になっている設問があります。(一般の方にはなじみの薄い話ですができればお付き合いください)

午前中に行われた必修問題の30番。

   中足骨骨折で正しいのはどれか
   1.開放性骨折が多い
   2.足底挿板が有用である
   3.脛腓靭帯の牽引で下駄骨折が発生する
   4.第2中足骨骨折をジョーンズ骨折という

3と4は明らかな間違い。1は中足骨骨幹部骨折なら正解なのですが基底部の裂離骨折や疲労骨折を考えに入れると正解とは言い難い。柔道整復理論の教科書に従えば開放性骨折になるのはあくまでも骨幹部骨折、ということになります。

足底挿板が無効であったり禁忌であったりということは考えられないので答えはたぶん2、ということでしょう。

ところが別の科目(整形外科)の教科書を見てみると「中足骨骨折は開放性になりやすい」由がちゃんと載っています。そんなわけで1も正解ではないのか?という話題がネット上をにぎわしている、と思っていました。

昨日、勉強会で受験生の一人にあったのですがどうやらこの設問、単純なお利口さん問題とは趣が違うようなのです。

国家試験受験生の間で絶対的な人気を誇る参考書に「青本(仮名)」というのがあります。専門学校の講義でも後期になるとほとんどの学生がこれを見ながら講義を受けています。

で、この「青本(仮名)」に「中足骨骨折は開放性になりやすい」という由の記述があるのだそうです。「青本(仮名)に載ってるからマルにしたのに・・・。」と彼はぼやいていました。

そうか、これは青本(仮名)つぶしなんや。私ははたと気づきました。特にこの問題は必修問題で、八割得点しないと一般問題でいくら得点しても不合格になります。毎年この必修問題で不覚をとる受験生が何人かいます。この問題30で不合格になってしまう受験生だってきっといるでしょう。

そもそも国家試験とは「柔道整復師として必要な知識、技能」を判定するためのものでありましょう。それが他の意図をもってヒッカケ問題をこしらえるとはなんと姑息なことではありませんか。

これが「国家試験対策に偏った教育を是正」するつもりであるならばチャンチャラおかしい。国家試験対策はある程度の受験勉強を経験していないとできません。

これをもって受験偏重に大ナタを振るったつもりであるならばその程度のおつむの人間に試験委員をさせておくことの方が弊害は多いでしょう。それよりなにより教育現場への介入が余りと言えば露骨ですよね。

ちなみに件の「青本(仮名)」、学生に見せてもらったことはありますが字が細かすぎて読めませんでした。もし、内容について事実の誤認があれば訂正いたしますのでご指摘くださるとありがたいです。

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かなや やすひろ
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性別:
男性
職業:
柔道整復師
自己紹介:
大阪市在住。医療系専門学校で教えるかたわら自宅兼のちっこい治療院でクラニオセイクラルのセッションを行う。好きなこと:講義すること、治療すること、飲むこと。嫌いなこと:お医者さんごっこ
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