お正月を写そう
あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
「お正月を写そう」というテレビのコマーシャルはずいぶん昔からありました。ワタシの記憶でははじめはカラーフィルムの広告だったと思います。
そのうち「写るんです」みたいなレンズ付きのフィルムのコマーシャルになり、デジタル写真の現像のコマーシャルになりました。そして今年はフィルム会社の作った健康食品のコマーシャルで「お正月を写そう」ってやってます。
ある産業が滅亡するスピードというのは怖いほどで街中のDPE屋さんというのはデジカメとプリンターの普及とともにあっという間に姿を消してしまいました。
当然、フィルムを作っている会社もそのままではいられないわけで生き残りをかけていろんな他業種に進出することとなります。
元がフイルムのメーカーだってデジタル全盛になってしまえばそれに対応して業態を転換しなければどうしようもないことは誰にだってわかりそうなもんでしょう。それでも「フィルムを売るにはどうするか」ということを考えていたのではいずれ立ちいかなくなることは考えてみれば当然のことではないですか。
ところが不思議なことに「フィルムを売るにはどうするか」というようなことを業界あげて考えている人々がいます。ワタシも籍を置いている柔道整復師です。
「骨折・脱臼を整復できてこそ柔道整復師」ということを社団も学会も何の疑いもなく言い続けています。これには健康保険の対象になるのは外傷だけであることを踏まえて「健康保険が使えてこそ柔道整復師」というホンネが裏に隠れています。
健康保険の対象になる傷病=柔道整復師の業務範囲、といった誤った考えに業界全部がとらわれているわけなのですが(これが法的に根拠をもたない理由については「柔道整復師の業務範囲」というカテゴリーの記事を是非ともお読みください)このままでいけば業界の末路は「フィルムの売り上げ」と同じ運命となるでしょう。
どうにかして柔道整復師の仲間にこのことに気付いてほしいと思って腐心してきたのですがどうもいらぬお節介のようです。業界が骨折脱臼(あるいは健康保険)と心中するつもりならばそれは仕方のないことなのでしょう。
目を他の方向に向ければもっといろんな人に喜んでいただけるのに、ねえ。
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