「巻くだけダイエットはゴムバンド療法のパクリ2」(手技療法のオリジナリティについて)
前回の続きです。
たとえば私が「クラニオセイクラルは私のオリジナルです」と言えば少なくとも手技療法のプロの間では笑いものになるでしょう。それでは私はセミナーで習った通りのクラニオの手技を行っているのかと言えばそうではありません。
もっと効率よく、もっと効果的になるように他の手技療法からテクニックを加えてアレンジしているところもあります。あるいは不得手な手技は同様の効果の出せる手技に差し替えていることもあります。
これはプロならば当たり前のことです。私たちにとって手技療法は商売道具です。自分の使い勝手の良いように手を加えるのも仕事のうちです。
パソコンに必要なソフトを入れたり鞄の中身を使いやすいように整理するのと本質的には違いません。
スポーツでも芸事でも長いことやっているとだんだん自分流にアレンジしていくのと似てるのかもしれません。ただし、です。これは使い勝手の良いようにアレンジしているだけで、決して「オリジナル」なものではありません。
それがどういうわけか、既存のものに少し手を加えただけで「オリジナル」と称して開祖になってしまう人が多いです。もちろんそれが世間に受ければひと儲けできますし場合によっては有名にもなれます。どうせ世間の素人にはわかりっこない、そんな料簡なのでしょうか。
一般の医学では、ある治療法が認められるためには一定数の症例を集め学術雑誌に発表(それも欧文で)しなければなりません。医学会の批判に耐えられるレベルの論文を書くことがが今の治療師にできるかと言えばしんどいでしょう。
あちらこちらの外国の博士号をお持ちのえらぁい先生方はたくさんおられますが寡聞にしてそのような論文が発表されたことを聴きません。単に私が外国語に疎いもので知らないだけの話かもしれませんが。
独自の治療法とか驚異の新理論、なんてものはそうは簡単にできはしません。巻くだけダイエットも今年中にはどっかへ行くでしょう。
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