「昔はよかった」か?
この数年間で柔道整復師の数は爆発的に増えました。当然整骨院の数も増加しました。そしてこれも当然のことながら競争は激化しています。昔(といってもほんの数年前)までは開業すれば技術がなくてもそこそこには稼げていたものが現在では大きな資本によるチェーン化した整骨院以外は経営が苦しいところが多いです。
それなら昔はよかったのか?
まず、学校に入るのが大変でした。柔道整復師の養成学校に入学するためには学校関係者とのコネクションが必要で、入学に際しても多額の寄付金が必要だったそうです。学校に入学した後も入学の際に紹介してもらった先生の整骨院でお礼奉公をしなければならなかったそうです。同級生には極端な猫舌の学生が何人もいましたが住み込みで働いていると温かい食事を食べることがないので自然とそうなる、と言っていました。
私は幸か不幸かペーパーテストが強かったものでコネも寄付金もなしで入学できましたが同級生と話が合わずに困りました。もっとも普通の自営業者の我が家では数百万円もの寄付金は支払うことはできなかったでしょう。
免許を取って開業する際も付近の同業者にあいさつ回り、と言うのをしなければなりませんでした。地域のボスみたいなのがいてずいぶん理不尽なことを言って新規開業者に嫌がらせをしていたといいます。
現在はどうか。学校は各地にでき、中には学生の募集に頭を痛めているところもあります。かつては月給一万円、と言う信じられない給料でコキツカワレテいた徒弟制度も崩壊しました。保険請求も個人で簡単にできるようになり地域のボスも姿を消しました。たまに勘違いして威張り散らすお利口さんもいますが間もなく絶滅してくれるでしょう。
誰の命令も受けず、誰の顔色をうかがうこともなく、自分の才覚だけで業務ができる現在の柔道整復業界の状況をを私は本当にいいことだと思っています。
せっかくいい時代に柔道整復師になったのだから声の大きい人に振り回されることなく自分の頭で考える習慣をつけたいものだと思います。
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