ボスをぶちのめせ2(柔道整復師の保険請求は誰でも簡単にできる)
柔道整復師は何らかの会に所属している場合が多いです。その中で最大のものが社団法人日本柔道整復師会。全国の都道府県にある地方社団(各都道府県の柔道整復師会)の元締めみたいなものです。その他にもさまざまな大小の柔道整復師の団体が存在します。
そういう会に入るのは何のため?といえば保険請求をこれらの会を通じて行うためです。各整骨院で作成した療養費支給申請書(業界ではこれをレセプトと呼びます)を各団体に提出、団体から保険者毎に取りまとめたレセプトが送られます。保険者から各団体に支払われた療養費が逆のルートで各整骨院に支払われる、と言う仕組みです。もちろんその際にいくばくかの手数料が差し引かれることとなります。
かつてはこの請求、地方社団を通じてしか行うことができませんでした。言ってみれば独占企業みたいなものですからいきおい当時の地方社団の鼻息は荒かった。保険委員なんてふんぞり返っていました。事務職員にも虎の威を借るなんとやらでずいぶん態度の悪いのがいました。
ちなみに地方社団の委員とか役員をやると何かいいことがあったようでたいてい執行部の人間と言うのは世襲の二世、三世かあるいは幹部の弟子なんかが多かったです。
私が開業した前後に地方社団を通さないでも療養費の支給申請ができるようになり、それから社団法人の入会者は減り続け、現在では社団法人の会員とそれ以外の柔道整復師とでは後者の割合の方が多くなっています。
実際には柔道整復師の保険請求の手続きなんて簡単なものです。社会保険事務所(現在は地方厚生局)に行って申請書に名前と住所を書いてハンコを押すだけのことです。月々の請求業務も郵便で簡易書留を出せばそれでおしまいです。これを代行してくれる団体もありますが自分の名前が書けて郵便の出せる人ならだれでもできることです。
閑話休題。そんなわけで最近社団法人の入会者数が減ってきているのだそうです。遅きに失した感はあるのですが幹部や職員の一般の柔道整復師に対する態度は私の開業地の社団では随分と改善しました。会そのものが民主的になったわけではもちろんなく、入会者数が少ないから愛想を振りまいているだけなのはみえみえ、ですが。
卒業生が開業するとき「どこかの会に入ったほうがいい?」と聞いてくることがあります。「保険の請求だけなら会に入らなくても全然問題ない。柔道整復師のこれからの発展を願うんやったら社団に入るべき。」と答えることにしています。
もう一つ。私の所属する社団法人では間もなく会員数が二千人になります。二千人目の入会者がまったく一般の柔道整復師になるのか、それとも幹部の子弟や弟子になるのか、私は興味深く見させてもらっています。
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