免許の更新はないけれど
免許証、と言ってもまずは運転免許の話です。実際に運転することはないのですがハタチのころに免許を取ってからずっと更新を続けています。
更新の手続きも、優良ドライバーなもんで(笑)簡単に済みます。
さて、それでは柔道整復師の免許(証)は更新の必要があるか?といえばありません。私の場合、平成の初めに免許を取ってからまったくそのままです。
当時は免許権者が都道府県知事だったもので私の免許証にはその頃の大阪府知事「岸 昌」さんの名前が入っています。これを「きし さかえ」と読める大阪府民も少なくなりました。「横山ノック」ならいまだにキョーレツな印象があるのですが。
もっとも私が免許を取得してすぐに柔道整復師法が改正になりました。それまで二年制だった養成学校がカリキュラムをぐっと増やして三年制になったのです。新旧の柔道整復師の知識のギャップを埋めるために厚生省(当時)が指定講習会、というのを行い私もこれに参加しました。
今正確なところはわからないのですが一年か半年か、毎週日曜日に一日がかりの講習を受けてきました。
さて、免許更新の話でした。医学というのは日進月歩で常に変わり続けています。柔道整復師といえどもこれに無関心ではいられません。
さらには新しい技術、知見も取り入れなければなりません。そのためには学会に出かけ、講習会に参加し、専門書を読まなければなりません。
免許の更新という制度はありませんがこういう努力(というか、普通に業務の一端なのですが)をしていないと時代に取り残されることとなります。
ところが、です。昨今の柔道整復関係の学会の参加人数、というのはずいぶんとさびしいことになっているようです。学会が近づくと「参加するように」という要請が所属団体からファクシミリで送られてきたりします。養成学校も増加して、学生さんにしてもよい機会だと思うのですが開会式に続く講演を聴き終わると(そこで点呼をとったりするのでしょうか)そそくさと会場を後にする姿を目にします。
全くもったいないことです。たとえば日本でカイロプラクティックやオステオパシーに従事する人たちには学会がありません。学会、と名前の付いた集まりはありますがこじんまりしたものです。なぜか、といえば同じカイロヤオステを標榜していても所属している団体によって知識(主に基礎医学の)や技能に開きがありすぎて、認識を共有できないからです。
一度そういう方たちの集まりに出かけたことがあるのですが、疲れました。得るものがなかったかと言えばそうでもないのですが出席者に基礎的な知識がないために議論が頓珍漢な方向へ進んでしまうのです。「ここはオレのいる場所ではないな」、正直そう思いました。
そう考えれば柔道整復師柔道整復師は恵まれています。学会だって講習会だっていくらでも開催されているし、その気になれば自分の所属している団体以外の学会にも出かけることができます。
この状況がいつまでも続くと思って居てはいけないわけで、代替医療関係の出版社が事業から撤退したように学会だって今後どうなるかはわかりません。
免許の更新はないけれども頭の中身は更新しておかないと、ギョーカイぜんぶがおいてきぼりになるゾ。
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