水曜日は感謝デー?
衰退が懸念される商店街でありますが店舗が空くと整骨院が新規出店?という流れは止まらないようです。とくに大阪市内はどこの商店街でもいたるところに整骨院ができています。
保険診療をしているところがほとんどですからいきおいけが人の奪い合いになります。
大阪市のとある商店街では院の前でポケットティッシュをまくところまで出現。「有資格者が施術を行います」というかっこいいポスターを貼っているところもあるそうです。
実際無資格の学生に施術をさせることはれっきとした不正行為です。そういう整骨院がどうなろうと私の知ったことではありませんが何も知らない学生を巻き添えにされたのではかないません。
同じことを何度も書くのは恐縮なのですが無資格で柔道整復の業務を行えば50万円以下の罰金で、なおかつ国家試験に合格しても免許を受けられない可能性があります。自分のところの従業員にそんな危ない橋を(それとは知らせずに)渡らせている経営者にどの道ロクなやつはいません。
学生の方も「自分は患者さんを治せる」というわけのわからん自信をつけてしまい、卒業すれば同じように学生を使って不正請求を行うのでしょう。
そういう意味では前述のポスターは業界のあしき慣習をぶち破る起爆剤になるのかもしれません。ただ、この「慣習」が明るみに出てしまえば柔道整復師の保険取り扱いは消滅してしまうでしょうね。
職業倫理がどうのこうの言う前に、素人の学生にでもできる程度の施術に保険適応するだけの価値があるとは到底思えないですもん。
さて、最近はさらにかっちょいい宣伝もあるようで「水曜日は自己負担金無料」というのを打ちだしてきたところがあるそうです。
保険診療の場合は、たとえば1000円の治療を受けた場合に患者さんは自己負担金(3割負担なら300円)を支払い、残りの金額を(この場合700円)医療機関は健康保険組合などに請求します。
この自己負担金は原則多すぎても少なくてもだめです。整骨院ではケースによっては自費払い分を患者さんから徴収することが認められていますが、その場合は自己負担金は本来の額よりも大きくなります。
これを減額することは法律上許されません。
それを知ってか知らずか自己負担金無料の広告。これは「うちは不正請求をやっていますよ」ということをでっかい声で世間に向かって叫んでいるようなもので到底正気の沙汰とは思えません。おつむ大丈夫?
この話を教えてくれたのはその商店街の近所で開業している同業です。
「一軒が無茶するとこっちまでおんなじように見られるからかなわんわ。」
「新卒で保険のしくみを知らんと開業しよったんと違うん?」と私。
「イヤ、違うねん。オレが開業するより前からやってるところが無茶しとんねん。」
「・・・・・・・。」
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