自称
どこかの県知事が「剣道二段である。」と言っていたのが実は免状を持たない「自称」であった、と言うニュースがありました。行政の手腕と剣道の腕前はそんなに関係あるまい、と思うのですがどんなもんでしょう。
「自称ナントカ」は治療院業界でもたくさんあります。よく見るのが「自称ナントカ博士」。これは実体のない海外の大学から学位を買う、と言う遊びです。時折私のところにも案内が来るのですが、博士号の響きに心をくすぐられる人も多いのでしょう。
経歴に海外の大学の博士号のある治療師には割合これが多いです。(もちろん海外の大学をちゃんと卒業しておられる方も特にカイロプラクティック関係にはおられますがまだ数百名にならないでしょう。)
学歴を金で買う、と言う言い方には非難の響きがありますがそれで自分が満足できるのならいいじゃあないですか。実際にはその「学位」があるからといって大学の先生になれるわけでなし、(ナントカ大学名誉教授という肩書も売られていたりはするそうですが)せいぜいが患者さんや弟子に自慢できるくらいのものです。かわいいもんじゃないですか。
大体こういうことにおカネを使おうとする根本のところには正当な(?)医療に対するコンプレックスが潜んでいるように思います。そうしてそれは私にも当てはまる部分があると思います。私は柔道整復師を自分の天職として大切にしていますが、たとえば柔道整復師の免許を医師免許と取り換えてやろうか、と悪魔に言われて「NO」と言う自信がありません。少なくとも「人は医師のみが治すにあらず」と言いきることはできないでしょう。
まあ、実際にはあり得ない話なのでどうでもいいことなのですが。
ただし、このコンプレックスが私の治療師としての原動力になっているのも間違いのない事実です。
願わくば、「医療」にしっぽを振って患者さんに背を向けるようなことのありませんように。
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