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大阪市西淀川区にあるクラニオセイクラル専門の整骨院院長のきまぐれ日記

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日本国破算?

深井 降(仮名)という大変有名な方がおられます。新聞などに著書の広告がよく載っているのでご存知の方も多いと思います。

経済ジャーナリストという肩書をお持ちですがご自身の主宰される会社は資産運用を行うのが主な業務のように見受けられます。

日本経済が近いうちに破綻するので、自分の資産は自分で守ろう(具体的には海外のファンドを買おうということらしいです)というのは全く正しいことのように思われます。経済関係にはとんと縁がありませんので深井氏の著書を読む機会には恵まれませんがおかげで大きな安心を得ておられる方も多いのではないか、と思います。

さて、深井氏の手掛けられている事業の中に健康関係のものもあります。新型インフルエンザがショウケツを極めた時にはパンデミック対策のセミナーを開かれ、あるいはインフルエンザ対策きっとというのも販売しておられました。

さらに深井氏は治療院のフランチャイズ経営にも乗り出しておられます。体を特殊な器具を使って温める、という治療法です。似たような治療法は私もちょっと凝ったことがあって一度TOMOが体調をこわしたときに患部を温めて回復させたこともあります。

さすが深井氏、目の付けどころがいいわ。健康ビジネスというのは破綻しかけている日本にあってなお有望なビジネスなのか、と私は真実感心したものです。

仕事の関係先の近くに深井氏が展開しておられるフランチャイズの治療院があって、そばを通るたびに一度施術を受けてみようか、と本気で考える私でありました。

ところが、です。先日その治療院のそばを通ってみると院名が変わっています。今までは「ナントカ温熱療法院」だったのが「ナントカ温熱整骨院」となって「各種保険取り扱い」という文字も並んでいる。

おやおや。よく行政が「温熱整骨院」などという院名にオーケーを出したものだ、と思います。そして何よりも整骨院では保険の使えるのは急性のけがだけのはずで温熱療法オンリーではそういうクライアントに全然対応できないでしょう。

しかも、柔道整復師の保険請求というのは現在では決して美味しくないでしょう。わざわざこれから参入してくるのはどう考えても(ことの善しあしやその他のカラクリは置いといて)センスのいい経営とは思えません。

健康保険は日本国にあって真っ先に破綻しそうに思うのは私だけではないでしょう。それともそんな風に考えるのは私のような凡人だけで深井氏のごとき卓越したセンスがあれば整骨院の保険取り扱いも海外ファンドのように将来有望なのでしょうか。
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湿布は投薬か?

前回書きましたように柔道整復師は投薬(と、その指示)を行うことができません。

それでも接骨院に行くと塗り薬を縫ってくれたり湿布を貼ってくれたりしますよね。あれっていいの?

これについては厚生省の時代に通達が出ています。

「患部を薬品で湿布するがごときも理論上薬品の投与に含まれると解するが、その薬品使用について危険性がなく且つ柔道整復師の業務に当然伴う程度の行為であれば許されるものと解する」

要するに湿布を貼ったりサロメチールを塗ったりするくらいならまあ構へんで、とでもいった意味でありましょう。

湿布、といってもかつては鉛糖水(酢酸鉛)という薬品を主に使っていたそうです。もうちょっと時代が下がると泥膏、といって一斗缶に入ったどろどろした薬品をガーゼに伸ばして幹部に貼るようになりました。いちいち患者さんが来るたんびにそんなことをしていられませんからあらかじめその日に使う分の湿布をガーゼに伸ばしておくのが整骨院の新弟子に与えられる最初の仕事だったと言います。

当時の弟子は住み込みでしたから掃除洗濯その他の雑用ももちろんこなしての上なので結構な労働ではあったことでしょう。学校時代にはそういう仕事をさせられているクラスメートもまだ少しはいました。

現在は湿布、と聞いて思い浮かぶはがき大のハップ剤が主流でこれをペタン、と貼るだけでしまいです。整骨院の弟子の労働量は激減しましたがその分無資格の身で施術(違法なマッサージ)をさせられることとなり、こちらの方が問題は大きかったりします。

良く聞かれるのが温感湿布と冷感湿布の使い分けです。「どっちを貼ったらいいの?」というご質問を受けますが薬効としてはほぼ同じだそうです。温感湿布は実際に温めるわけではなく唐辛子エキスで皮膚の温点(温かく感じる場所)を刺激しているにすぎません。

だから「どっちを貼っても同じ。気持ちよく感じる方でいいんと違う?」とお答えするようにしています。これと実際に温めたり冷やしたりすることとの臨床的な意味は違うのですが両者を混同している人は多いです。

クラニオ専業なので湿布を使うことはほとんどありませんがごくたまに必要なこともあります。ウチで使う湿布は生薬の粉末を練って作りますのでその都度陶器の鉢でこねて作ります。悠長なものです。

名称独占?

世の中の資格には法律で名称や業務を「独占」しているものがあります。

たとえば医師以外の人は医業をすることはできません。これを医師の業務独占と言います。

同様に医師以外の人は医師、またはこれに紛らわしい名称を用いてはならないと法律で定められています。これを医師の名称独占と言います。違反したならば医師法で罰せられることとなります。「何とかドクター」を自称するセラピストがたまにいますがこれも同じ。もちろん大学で博士号を授与されていれば問題なくドクターではあるのですが。

さて、カイロプラクティックや整体の国家資格は日本では存在しません。だから名称や業務独占も存在せず、ぶっちゃけた言い方をすれば誰でもこれらの療法を業とすることができる、というのが現在の日本での法解釈です。

「海外ではドクターとして認められている」カイロプラクティックが日本では「だれでも自由に業としてできる。」不思議な話ではあります。

こういう現状が一番面白くないのは実はカイロプラクティック業界内部の人のようです。あちらの業界の偉い方々は大体アメリカのカイロプラクティック大学を卒業しておられるようで、そういう方からみれば数カ月程度の講習を修了しただけの人間が自分たちと同様にカイロプラクティック・ドクターを自称しているのは我慢ならん話なのでしょう。

ところが先に述べたような理由で日本では業務も名称も独占できない。日本でカイロプラクティックが法制化されない理由にはこういう即席セラピストと一緒にされたくないという人々の思惑があるのやもしれません。

ここから先はうわさ話に基づく憶測です。事実誤認がありましたら直ちに訂正します。

実は「カイロプラクティック」を国家資格にして名称、業務を独占するかわりにとってもいいアイデアを考え付いた人たちがいるようです。「カイロプラクティック」を商標登録するという手段です。

そうすれば自分たちの団体以外のセラピストが「カイロプラクティック」を標榜することを実質的に阻止できます。「オステオパシー」についても同様に商標登録されているらしく、いってみれば普通名詞のはずのカイロプラクティックやオステオパシーを「商標」として認めてしまう日本の特許庁のセンスもなかなかのものです。

個々のテクニックについても商標登録や著作権を主張している人は増えてきています。カイロプラクティックでは「仙骨・後頭骨テクニック」の創始者の身内が同療法の著作権を認められ、日本で出版されていた同療法関係の書籍は軒並み絶版になりました。

「ナントカ療法の健全な発展のため」という言い回しにはなっていますが要は利権の独占のためでありましょう。商標登録はある意味ジャストミートです。

商標登録にバッティングしたかどでペナルティーを受けた例を寡聞にしてまだ知りません。ただし、最近流行のコンピューターを使った治療法の「何とかセラピー」がわざわざ「ウチはカイロプラクティックではない」ということを主張されるのもこの問題と無関係ではないでしょうね。

ちなみに柔道整復師は業務のみ独占です。だから柔道整復師を自称してもそれだけでは罪になりませんが、無資格の人間が整骨院で施術をすれば罪に問われます。

アルバイト研修?

全然知らない柔道整復師養成の専門学校から封書が来ました。「学生アルバイト研修受け入れに関するお願い」とあります。

「・・・さて、本日は鍼灸師・柔道整復師業界を目指す意欲ある学生を対象としましたアルバイト研修の受け入れに関しましてご案内申し上げます。これまで、このアルバイト研修をご理解いただきました先生方のご協力により、職業観を備えた数多くの卒業生を育成し、業界へ送り出すことができました。今後も本高は、先生方のご理解ご協力をいただき、鍼灸師学科・柔道整復師学科の学生には在学中に研修を通じて業界を知る事を推奨してまいります。」

要するに自分のところの学生をアルバイトに使いませんか、という勧誘なのですがこのことに関しては嫌というほど書きました。

整骨院、接骨院の助手というのは聞こえはいいですが実際には無資格で業務を行わせていることが多いです。

これはれっきとした違法行為で、しかもこれにバッティングすると「欠格事由」といって国家試験に合格しても柔道整復師免許をもらえない可能性があります。

それを承知の上で学校は、施術所は、そして学生自身は「助手」なる行為を行っているのか。実際のところ無資格の助手に施術を行わせて保険請求をしたのが発覚して保険停止取り使い停止になった例が出てきています。本当はもっと出てこないとおかしい。

そしてつい最近大阪であった無資格の鍼灸学生に鍼を打たせて患者さんを死に至らしめた悲惨な事件をみんなはもう忘れてしまったのでしょうか。(ちなみにこのとき学生と一緒に逮捕された経営者は「学生が勝手に鍼を打っていた」という意のことを言って罪を逃れようとしたそうです。学生はこの手の治療院にとってはまさに消耗品にすぎない、ということを露骨に示した事件でしょう)

医師の場合、臨床を行おうとすれば二年以上「臨床研修」を大学病院などで受けなければならない。柔道整復師にも臨床研修制度はありますがこれを受ける新卒者が少ないのは法的な規制がないことのほかに学生時代のアルバイトで「研修」を受けたつもりになっている柔道整復師が多いからでありましょう。

現に養成学校が「研修」という名称を使っていたりする。どういうことやねん、これは。

医学部の学生が病院で診察のアルバイトをしてそれを研修と称する。そんなことがあるはずもないでしょう。大体患者さんは教材か、という話ですよ。医師のマネがしたければそういうところからマネするべきでありましょう。

学生諸氏には薬店薬局でのアルバイトをお勧めします。こちらのほうは登録販売者の受験の際のキャリアとしてカウントされます。無資格で施術所勤務をしていてもいくばくかの小遣い銭と「俺は患者さんを治せる」という勘違い(これを今回着た封書では職業観、と言っているのでしょう)くらいしか得るものはありません。

下手すると柔道整復業界からの永久追放、というリスクと引き換えにするにはあまりに微々たるものだと思うのですが。

異業種参入

大阪駅付近を歩いているとやたらとリラクゼーションの店が目につきます。

それはもちろん私が治療師だからでしょうけれどそれにしても多すぎます。

手技療法の治療費は「10分1000円」が相場でそれが徐々に崩れつつある、と以前このブログで書きました。現在は完全に価格崩壊の状態で10分換算にするとひどいところだと600円くらいの店もあります。

一応初回限定とは書いてありますが、いくらでも新しいリラクゼーションサロンはできてきますので相場は最終的にもっと下がるでしょう。経費が人件費だけなので(利益率が大きい)ある程度こういう無茶もできますがそれにも限度があるでしょう。

以前は「安いマッサ-ジ」といえば整骨院が健康保険を不正に使ってクイックまがいのことをしていたものですが、最近は実費のみで低価格という凄いことになってしまっています。

いっぽう整骨院でメニューの中に(この言い方を私は好みません)実費でのリラクゼーションを取り入れているところが出てきました。こちらは逆に従来の相場くらいの価格をつけています。

下手すれば健康保険の一部負担金(3割)並の低価格でのリラクゼーションサロン(こちらのセラピストは基本的に無資格)と建前を捨ててリラクゼーションに進出した整骨院。どちらもしんどい戦いですが最近は新たな強敵?が現れました。

TOMOがお友達のお勧めの美容院にはじめて行ったときのことです。ムチャクチャに愛想がよかったそうで「待ってる間にカルピスまで出てきた」というサービスの良さ。

シャンプーのときに「どこかかゆいところはありませんか?」と聞かれますが、この美容院では「どこか凝っているところはありませんか?」と聞かれたといいます。洗髪の後に片やら後頭部をポンポンと叩いてもらったりすることはありますがここではクイックマッサージまがいのことを(短時間ですが)やっているそうです。

手技療法もなめられたものですが一般の方が手技療法に期待しているのはその程度のことなのでしょうか。

なんかちょっとつらい。
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プロフィール
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かなや やすひろ
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性別:
男性
職業:
柔道整復師
自己紹介:
大阪市在住。医療系専門学校で教えるかたわら自宅兼のちっこい治療院でクラニオセイクラルのセッションを行う。好きなこと:講義すること、治療すること、飲むこと。嫌いなこと:お医者さんごっこ
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