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大阪市西淀川区にあるクラニオセイクラル専門の整骨院院長のきまぐれ日記

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インターネットはアガスティアの葉か?

何かについて「知っている」というのはある程度の知識なり経験なりをそのことについて持っていることを指します。実際に経験がなくてもそれに関する本を読んだり話を聞いたりして初めて「知ってる」になるでしょう。

これが変化してきていることは何度か書きました。あるサイトを検索すればそこに載っていることを知っているだけでも、そのことについて「知ってる」という子が出現しています。

最近ではさらに不思議なことになっているようです。何かについて尋ねられるとやおらインターネットで検索を始めるのだそうです。

たとえば私がパソコンを買おうと思ったとします。Aという機種とBという機種とどっちにしようか迷ってパソコンに詳しい友達に尋ねる、ということはよくあるでしょう。

そういう場合、友達は「Aと同じメーカーのパソコンを使っているけれど使い勝手がいいよ」とか「インターネットを見てメールのやり取りをするだけならBで十分と思うよ」といった自分の経験とか知識を私に教えてくれる、というのが従来のパターンでした。

ところが最近では「AとBとどっちがいいと思う?」と聞かれると、両方の機種のスペックをインターネットで検索して両者を比較しながらそれぞれの長所と欠点を解説するパターンが増えているようなのですよ。

そんなことは量販店に行って店員さんに聞けばいいことです。私がききたいのはパソコンに詳しい友人の経験であったりそれに裏付けられたパーソナルな知識であったりするわけなのですが最近ではそういったやり取りが困難になってきているようです。

知識、というか人間の行動がインターネット上の情報を取り次ぐだけの関係になって行きそうで怖いです。

 

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国家試験をのぞいてみれば・・・

いよいよ来週の日曜日には柔道整復師の国家試験です。それに先だってあん摩マッサージ指圧師とはり師・きゅう師の国家試験が行われました。

専門科目になると陰陽五行などがあって全くのお手上げなのですが基礎科目では解答可能なものもあります。とはいえ解剖学や生理学は私たちが習っていたころとはレベルが違いすぎて感心することしきりです。

たぶん全問解答できるのが「関係法規」という科目です。柔道整復師法(これを私は教えています)と「あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師等に関する法律」(とっても長い名前の法律ですね)とでは共通する項目が多いからです。

昔はもっと長い名称で「あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師および柔道整復師等に関する法律」といって柔道整復師も同じ法律で規制されていたことがあります。だから柔道整復師が単独の法律を持つようになっても条文などが共通するところも多い、ということです。

今年のあん摩マッサージ指圧師国家試験の問題に、こんなのがありました。

    (前略)あん摩マッサージ指圧師が医師の同意によって行えるのはどれか
1.瀉血  2.脱臼部位への施術  3.漢方薬の投与  4.診療放射線の照射

1.は患部を切開してうっ血を外に出すこと、これは医師にしかできません。3.の投薬も同様。診療放射線の照射は医師、歯科医師、診療放射線技師でないと行うことができません。

ということは?そう、正解は2.の脱臼部位への施術です。医師の同意があればあん摩マッサージ指圧師は骨折の患部にも施術を行うことができます。

柔道整復師が骨折や脱臼の患部に施術を行うときも同様に医師の同意が必要なのは以前から書いているとおりです。医師が診察する前に応急手当として患部を整復することはできます。柔道整復師とあん摩マッサージ指圧師とが骨折、脱臼の患部に対して行うことのできる施術の違いはこの「応急手当」の有無だけなのです。

「骨の接げる柔道整復師」なんてのを本当に目指していていいの?

学生って結局は無資格者でしょ?

先日大阪の治療院で鍼灸の学校に通っている柔道整復師が患者さんに鍼治療を行って死亡させた事件で、当の学生と同時に治療院の院長も逮捕されました。

一般の方から見れば「当たり前のこと」にうつりますが実は結構画期的なことなのでありました。

無資格の人間が(鍼灸学校の学生は鍼灸師ではありません)鍼治療を行えば違法なのは誰でもわかります。(実際には無資格施術=あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師等に関する法律違反ではなく業務上過失致死容疑で逮捕されたようですが)

ところが無資格の人間を雇って業務をさせていた人間のほうはなかなか罪には問われなかったのです。

治療師関係の法律にはスタッフが違反した場合に経営者が罪に問われるものと(これを両罰規定といいます。選挙違反の連座制のようなものとお考えください)問われないものがあり、無資格施術には両罰規定は適応されないことになっているのです。

それが今回、院長のほうもあん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師等に関する法律違反で逮捕されています。このあたりの法解釈がいまひとつはっきりしないのですが無資格での施術を指示しただけでも違法である、という考え方が広まってゆくことを期待するものです。

学生はあくまでも学生であって人の体をさわる資格を持ちません。無資格の学生を使って施術をさせることがほぼ常態化していることが整骨院をはじめとする治療院業界の最大の問題点でしょう。

業界幹部が唱えている「柔道整復は医療」である、というのが全くの空念仏であることはこのことで明らかです。彼らの施術所にもきっと無資格のスタッフがいて堂々と白衣を着てくだらない治療まがいの手技を行っているのでしょう。

私は別に柔道整復が医療でなくてもいいのですが、専門職としての責任というものを感じるのならば(あるいは商売人の仁義、でもかまいません)素人に大事なクライアントをさわらせるなよな、と思います。

さて、この問題については当然健康保険の取り扱いが絡んできます。無資格の人間に施術をさせて保険の不正請求をする、という手口は今やほとんど罪の意識もなく行われていますがこれはれっきとした犯罪行為です。

行政も動き始めています。無資格の従業員の施術を柔道整復師が行ったものとして保険請求していた整骨院が今年の1月に保険取り扱い(受領委任払い)5年間停止の処分を受けています。

整骨院で施術するのは柔道整復師である。何事の不思議なけれど、です。

幸せってなんだっけ?(柔道整復学の方向性はまちがっている)

柔道整復師を目指す学生たちを教えていて思うのですが、彼らは本当にいろんなことを知っています。

私たちが学生のころと比べると教わる内容の質、量ともに比較になりません。彼らに羨望を禁じえないのですが、ひょっとすると現在のような膨大なカリキュラムでは私はついていけないかもしれません。

ところで彼らが授業で使用する「柔道整復学」の教科書が改訂されたのですが(現在の一年生から使用しています)内容を見ているとどうしても疑問に感じることが多いです。

まず、ウエートの大半を骨折と脱臼が占めていること。これは「骨折や脱臼を整復できてこそ柔道整復師」という一見もっともなスローガンによるものでしょう。業界団体も学会も教育する側もたぶんそう考えて教科書を改訂し、カリキュラムを作ったのだと思います。

でも、実際問題として骨折や脱臼に対する施術をこれからの柔道整復師が行っていく可能性は限りなくゼロに近いと思います。

その理由は以前も書いたとおり、現在の医療システムでは柔道整復師が骨折脱臼を診るためにはハードルが多すぎます。

これだけ医療が発達した現在において(わざわざ医療機関を受診してからでないと柔道整復師は骨折、脱臼の患者さんを診ることはできません)麻酔や画像診断の恩恵なしに骨折や脱臼の施術を行うことにどれほどの意味があるのでしょうか。

意味、というのはもちろん患者さん側のメリットを指します。

学問として外傷を学びたい、というのなら話は別なのですが柔道整復師は臨床の現場で実務を行うための資格です。実際には使用することのない知識をいくら詰め込んでもそれは患者さんの役に立つのか、という話ですよ。

学の構築、というのが柔道整復師業界、学会挙げての目標なのですが知識をたくさん持っていることが「学問」であるかというとそれは違います。本を見れば載っていることをいくら詰め込んでもそれはマニアの世界です。

その知識で人を幸せにできるのがプロというものではありませんか。

ついでに言っておけばその知識のレベルについても私は大いに疑問を持っています。たとえば上腕骨近位端部の骨折の記載が一般的なNeerの分類を全く無視していたり、上腕骨顆上骨折でのレントゲン所見のファットパッドサインの記載が誤りだったり、医師と共通の認識を持つのにもあんまり役に立ちそうにありません。

レベルの高い知識を得たつもりで頭でっかちになってしまった柔道整復師も、ハナから金もうけの手段として割り切っている柔道整復師も、何のための資格であり知識なのかをもう一度考え直してみるべきでありましょう。

ミミクリー(擬態)

どこかの国のオリンピック代表選手が服装のことであれこれ非難を浴びています。増長させるだけさせておいて、いきなり手のひらを返すように「自覚」とやらを求められても当の本人もなんでそんな問題になっているのかわからんでしょう。

TPOというのはもちろん大切で講義の際や学会にラフな服装で出向くことは常識以前のモンダイでしょう。ごくたまに学会で自分の教えている学生がネクタイを締めていないのを見かけると、こちらのほうがいたたまれない気持ちになります。

ただ、施術の際の服装は以前にも書きましたように私はジーパンにトレーナーかポロシャツです。

かつては白衣を着ることにはそれなりの格式があったのですが現在ではそれよりも衛生や作業効率が重んじられるようになり、白衣そのものの持つ意味は薄れつつあります。看護師さんのナースキャップが廃止されつつあることなどもその表れでしょう。

ただ、一般の人には白衣がそれなりの権威をもって見られていることも事実のようで、血圧を測るときに白衣を着た人が測ったほうがそうでない場合よりも患者さんの血圧が高かったりすることがあるのだそうです。

そのためかどうか、無資格のセラピストのほとんどが白衣を着たがります。彼らの施術所のホームページを見てみると白衣に身を包んだ写真がドーンと載っています。そうしてほとんどと言っていいほど何らかの権威付けが行われています。

曰く、カイロプラクティック(オステオパシーでもいいや)はアメリカでは医療として認めれれている。ドクターとして認められている。そんなに医師になりたいのなら勉強して医学部に行けばよかろうにそういう治療師に限って週に一回のスクールに半年通った程度の勉強しかしていなかったりする。

自信のなさの裏返し、であったりもするのかもしれません。

私が白衣を着ないのは「オレは自信にあふれたセラピストだゾ」と主張したいからではなく、じぶんのやっていることは「医療」とは違うカテゴリーに分類されるのだろうと考えているからです。

柔道整復が「医療」に分類されるのかどうかは議論のあるところですが、それとは関係なくクラニオセイクラルという手技はきっと医療ではないのだと思います。

考えてみればうちにおいでのクライアントあっちこっちの病院で白衣を着た先生に(これこそ本物の権威でしょう)診てもらってそれで改善しなかった方々なのですから権威なんてどうでもいいことなんだと思います。



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かなや やすひろ
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性別:
男性
職業:
柔道整復師
自己紹介:
大阪市在住。医療系専門学校で教えるかたわら自宅兼のちっこい治療院でクラニオセイクラルのセッションを行う。好きなこと:講義すること、治療すること、飲むこと。嫌いなこと:お医者さんごっこ
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